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ファン待望の続編!「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、昨年公開の『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』ですよ。

女の子の殺し屋のゆるい日常とキレッキレのアクションで話題を呼んだ阪元裕吾監督の「ベイビーわるきゅーれ」続編です。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

殺し屋女子二人組が社会になじもうと奮闘する『ベイビーわるきゅーれ』の続編。何をするにもお金が必要な社会を生きる彼女たちに、新たな敵が立ちはだかる。前作同様、『グリーンバレット』などの阪元裕吾がメガホンを取り、『マンハント』などの園村健介がアクション監督を担当。『とおいらいめい』などの高石あかりと『オカムロさん』などの伊澤彩織が殺し屋コンビ役で続投し、阪元監督作『黄龍の村』などの水石亜飛夢、『琉球バトルロワイアル』などの丞威、『ウルトラマンジード』シリーズなどの濱田龍臣らが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

「ベイビーわるきゅーれ」とは

「ハングマンズ・ノット」「ファミリー☆ウォーズ」「最強殺し屋伝説国岡」「ある用務員」など、主にアクションやバイオレンス映画を製作。独自の世界観や作りこまれた設定でカルト的人気を誇る阪元裕吾監督の代表作です。

社会に適合できない女子高生殺し屋コンビのゆるゆるな日常パートと、スタントパフォーマーでもある伊澤彩織のキレッキレのアクションの融合という、実写映画というよりはマンガ的世界観で多くの映画好きを唸らせた本作。

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高校卒業を間近に控えた殺し屋コンビ、深川まひろと杉本ちさとは、卒業後、組織の方針で二人暮らしをしながら、社会人としての”表の顔”を持つべくアルバイト探しを始めるのだが――という物語。

この作品では表立ってはいないものの、殺し屋が我々の日常に溶け込む形で存在。協会があり、殺し屋をサポートする事務方や、死体の始末屋や武器屋などが普通に存在するある意味「ジョンウィック」的な世界観なんですね。

この設定は阪本監督の「最強殺し屋伝説国岡」や「ある用務員」などとも通底していて、「ある用務員」で二人は女子高生の殺し屋コンビとして登場もしている。いわゆる阪本ユニバースが形成されているんですね。

「ベイビー~」は、コミュ障のまひろと明るく社交的だけどガサツで暴力的なちさとが表の仕事探しに苦労する日常コメディーとして描かれる一方で、戦闘シーンのアクションは女の子二人の体格に合わせたスピード重視&ジャッキー映画や「イップマン」の詠春拳を彷彿とさせるアクション設計を、女優でありスタントパフォーマーでもある伊澤彩織が見事に表現しているんですね。

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また、他の作品でも言えることだと思いますが、阪本監督の作劇はキャラクター重視のマンガ的な作劇なので、観ているこっちが主人公に感情移入しやすいという魅力もあるのだと思います。

仁義なき戦い」的続編

そんなこんなで多くの映画ファンに支持された「ベイビーわるきゅーれ」待望の続編として昨年公開された本作「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」

普通、続編となれば前作よりもスケールアップした物語を――と誰もが期待するところですが、阪本監督が選んだのは物語や世界観をインフレさせるのではなく、主人公二人の立ち位置はそのまま新キャラを投入。新キャラの方にドラマを持たせるという方法でした。

協会の下請けである非所属の殺し屋兄弟、神村ゆうりとまことは、彼らの仲介役・赤木とのし上がる事を夢見ていたが現実は厳しく。そんなある日、赤木が聞いたという「正規の殺し屋を殺せば、空いた枠に繰り上がりになる」という噂を信じ、まひろとちさとを倒して正規殺し屋枠を狙うのだが――というのが本作のあらすじ。

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まぁ、敵キャラとしては実質前作よりもスケールダウンしているんですが、この殺し屋兄弟の方を物語の中心にすることで、作品の世界観を広げているんですね。

この感じ、個人的には「仁義なき戦い」の続編「仁義なき戦い 広島死闘篇」を思い出しました。まぁ、「~広島死闘篇」の方は続編に原作が追い付かないので急遽舞台と主人公を変えて番外編的に制作したんですけどね。

対して、相変わらずゆるゆる殺し屋ライフを満喫していたするまひろ&ちさとコンビは、ある事情で謹慎を言い渡され、借金返済と当座の生活費を稼ぐためアルバイトをすることになるわけだけど、中盤の見せ場となる二人のアクション。特にまひろのアクションは前作以上にキレッキレで、アクションのアイデアも盛り込まれていて見ごたえがありましたねー。

そして、そんな両者が雌雄を決するクライマックスのアクションもまた前作以上に見ごたえがあり、さらに前半でのまひろのトレーニング描写がフリになっていて、それをこのクライマックスで回収する構成もアクション映画的な快感があって素晴らしかったと思います。

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そしてラストは「そりゃ当然こうなるよね」っていう予想通りのオチなんだけど、そこに至るまでの展開で「あれ、もしかして?」と一瞬思わせることで、両者に感情移入した観客を突き放すのも良かったですね。

個人的には、中盤のまひろとちさとの日常パートはやや冗長な感じはしたけれど、トータルでは十分すぎるほど面白かったし、続編が公開されたら絶対に見たいと思いましたねー。

興味のある方は是非!!