今日観た映画の感想

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前作の面白ポイントを増し増し!「ジョン・ウィック:チャプター2」(2017)

ぷらすです。

7月の日本公開から遅れること約2ヶ月。
ついに、オラが町でも『ジョン・ウィック:チャプター2』が公開されたので、早速、朝一の上映で観てきましたよー!

極めてマンガチックな「裏社会」や銃・ナイフ・車と格闘技を組み合わせたアクションといった、前作の面白ポイント増し増してんこ盛りの、アクション映画好きにはたまらない作品でしたよー!(;゚∀゚)=3ハァハァ

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

キアヌ・リーヴスふんする元殺し屋の壮絶な復讐(ふくしゅう)劇を描き、銃撃戦とカンフーをミックスしたアクションが話題を呼んだ『ジョン・ウィック』の続編。殺し屋稼業から身を引いて静かに生活していた主人公が、再びし烈な戦いに巻き込まれる。メガホンを取るのは、前作に続きチャド・スタエルスキイアン・マクシェーンジョン・レグイザモら前作キャストに加え、『マトリックス』シリーズでもキアヌと共演したローレンス・フィッシュバーン、ラッパーのコモンらが新たに参加する。

ストーリー:リベンジから5日後、伝説の殺し屋ジョン・ウィックキアヌ・リーヴス)はイタリアンマフィアのサンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)から新たな殺人を依頼される。殺し屋稼業から足を洗い静かな生活を望むジョンは断るが、サンティーノによって思い出深い家をバズーカ砲で木っ端みじんにされてしまう。さらにサンティーノに7億円の懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋のターゲットとなり……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

ストーリーをザックリ紹介

前作で、ロシアン・マフィアのバカ息子から車を強奪・亡妻から贈られた子犬も殺された元・伝説の殺し屋ジョン・ウィック。「100倍返しだ!ι(`ロ´)ノムキー」とばかりに時期限定現役復帰を果たし、件のロシアンマフィアを殲滅。
殺されたのとはまったく違う犬を拾ってめでたしめでたし。

……かと思いきや、奪われた車を取り戻すためにロシアンマフィアの兄ちゃんだか弟だかのアジトを襲撃するシーンから本作はスタート。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ロシアンマフィアから愛車を取り戻しに行くジョンウィック

結果、マフィアを殲滅して「これでまた一般人に戻れるε-(´∀`*)ホッ」と思ったら、今度は昔「契約」を交わしたイタリアンマフィアが家にやってきて仕事を依頼。
「いや引退してるから」と断ったら、今度は家を爆破されちゃったジョン・ウィックは、「契約」遂行後、イタリアンマフィアや彼が掛けた賞金につられた殺し屋たちと死闘を繰り広げる…という物語。ちなみに、前作の5日後の物語なんですね。

前作の面白ポイント増し増しで「ジョン・ウィック」の世界観を完全に確立

殺し屋組合」が存在し、「殺し屋専門通貨」や「殺し屋御用達ホテル」があるといった非常にマンガチックな「裏社会」を描き、ロシアの実戦格闘術システマと銃を組み合わせたカンフーならぬ「ガン・フー」で観客の度肝を抜いた前作ですが、本作ではその二つの面白要素を大幅に増量、スケールアップしています。

冒頭、ロシアンマフィアのボスによって語られる「ジョン・ウィック伝説」と、「ヤツの伝説は全て控えめに語られている」という、チャック・ノリス・ファクトを思わせるセリフとか、もうたまんないですよね!(;゚∀゚)=3ハァハァ

そして前作では一人で84人の敵を葬ったジョンウィックですが、本作では銃+格闘技のガン・フー、ナイフ+格闘技のナイ・フー、車+格闘技のカー・フーでなんと約2倍驚異の「1分1殺」超という無茶苦茶な数字を叩きだしてるんですねー。

そんなジョン・ウィックをサポートするのは、前作でも登場した「殺し屋御用達ホテル」のコンチネンタルや、銃器をワインのようにオススメしてくれる「ガン・ソムリエ」、裏地に防弾素材を使ってスーツを仕立ててくれる「殺し屋テラー」など、前作以上にマンガチックな「裏社会描写」。「ジョン・ウィック」の世界観を広げています。

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画像出典元URL:http://eiga.com / お客様の要望にお応えするガンソムリエ

監督は前作に引き続きチャド・スタエルスキ

そんな本作の監督を務めるのは、前作でデヴィッド・リーチとともに共同監督を務めたチャド・スタエルスキ。ちなみにデヴィッド・リーチは今回、製作総指揮に回っているらしいです。

前作から、予算も上映時間もスケールも大幅にアップしている本作で、チャド・スタエルスキキアヌ・リーブスらと共に、格闘アクションと銃器のディテールを徹底的に描くことで、マンガ的なケレン味に溢れながらも、ただ荒唐無稽なだけでない、一定の物語内リアルリティーを担保しているんですね。

一方で、一般客に紛れて地下鉄の通路を普通に歩きながら、敵とこっそり(サイレンサー付きの)銃で撃ち合うみたいな小学生が考えたようなアホっぽいアイデアも採用してるんですけどねw

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画像出典元URL:http://eiga.com

また、クライマックスシーンの戦いはブルース・リーの名作「燃えよドラゴン」をオマージュした「鏡の間」での対決だったりするのも、監督やキアヌのアクション映画へのリスペクトを感じてしまいますねー。

キアヌ・リーブスの表情

あと、これだけ主人公無双でありながら観ているコッチが主人公ジョンウィックに感情移入出来るのは、演じるキアヌ・リーブスの必死な表情にギリギリ感があるからなんじゃないかと思ったり。

普通、アクション映画で超強い主人公って常に余裕があるというか、観ているコッチが「コイツは大丈夫」的な安心感があるものですが、本作では「コイツ、途中でやられちゃうんじゃないか」っていうハラハラ感が常に付きまとうんですよね。

それは、敵を前にしたジョン・ウィックがいつも必死な表情でギリギリの戦いを繰り広げているからなんですよね。キアヌ自身が意図してるのか、それとも段取りをこなすのに本当に必死なのかはわかりませんけども。

ただ、そんな必死な形相で、常識では生き残り不可能なサバイブを続けるジョンウィックだからこそ、僕らはハラハラドキドキしながら応援しちゃうんだろうなーって思うんですね。

ただ、あえて文句をつけるなら、前作より20分ほど長くなった本作のほとんどがアクションシーンなので、さすがに終盤の方はお腹いっぱいというか。
いかにアイデアを凝らしているとはいえ、さすがに観ているうちに超絶アクションにもだんだん慣れて(麻痺して)しまって、終盤は正直ちょっと飽きてしまいましたねー。
それが「ジョン・ウィック」の魅力なので、悩ましいところではあるんですけども。

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ちなみに、本作を含め「ジョン・ウィック」シリーズは三部作で、次回作が最終章になる予定らしいんですが、本作で広げまくった風呂敷を次回作でどんな風に畳むのか、今から楽しみです!

(もう多くの地域では劇場公開は終わってると思うのでDVD待ちになるかもですが)

興味のある方は是非!!

 

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スタローンベストに入る傑作「コップランド」(1998)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、アクション映画の帝王シルヴェスター・スタローンの1997年の主演映画『コップランド』ですよー!

「ロッキー」「ランボー」シリーズを始め、代表的な作品は大体チェックしてるつもりだったんですが、恥ずかしながら本作はまったくノーチェック。
で、つい最近最近ラジオで知って観てみることにしたんですが……

結論から言うと、ベスト・スタローン作品(僕調べ)に入る傑作でしたよー!

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

シルベスター・スタローンロバート・デ・ニーロハーヴェイ・カイテル共演のサスペンス。NY警察で起こったある事件を通し、警察内部の闇にスポットを当ててゆく。さまざまな警察関係者に扮した、名優・才優たちの競演が見もの。他の共演にレイ・リオッタ、アナベラ・シオラ。NY市警の警官が多く暮らす街、ニュージャージー州“ギャリソン”。ベテラン警官・レイを頂点とするコップランドの鉄の結束のもと、保安官のフレディは無力ながら平穏無事な日々を送っていた。だがある日、管内で起こった警官の誤射事件から事態は急転する。(allcinema ONLINE より引用)

 

感想

シルヴェスター・スタローンという男

シルヴェスター・スタローンといえば、自身のキャリアを投影した傑作「ロッキー」シリーズや、ベトナム帰りの帰還兵が主役の「ランボー」シリーズ。低迷が続く時期もありましたが近年では「ロッキー・ザ・ファイナル」でスクリーンに返り咲き、80~90年代アクションスターを集結した「エクスペンタプルズ」シリーズで完全復活。
さらに「 クリード チャンプを継ぐ男」では、宿敵で親友アポロの息子クリードのトレーナーを務める老いたロッキー役で第88回アカデミー助演男優賞にノミネートされるなど、70歳を超えた今もハリウッドの第一線を走り続ける男です。

しかしながら、世間的には筋肉バカとして半笑いで語られがちな俳優でもあるんですよね。
そして、そういう人に限って「ロッキー」も「ランボー」も観てなかったりす・る・ん・で・す・よ! (怒

もうね、「ロッキー」「ランボー」直撃世代の僕からすれば「黙れ小僧!」もののけ姫の美輪さん張りに怒鳴りつけてやりたくなるってもんです。

スタローンくらい映画を知り尽くし、映画に対して誠実な俳優はハリウッドでも数えるくらいしかいないし、脚本家、監督、プロデューサーとしても超一流。

ただちょっとサービス精神が溢れすぎてて、観客の希望に応えすぎちゃうので、結果的に失敗作も多いというだけでw

本作は、そんなスタローンが、多分アクションスターのイメージ脱却を図った意欲作。
チャンピオンと世界戦を闘ったり、数百人を相手に戦ったりなんてしない地味な作品で、気弱なボンクラ保安官を演じているんですねー。

周囲に流され続けたボンクラ中年男の悲哀

本作でスタローンが演じたのは、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官が数多く住んでいるニュージャージー州ギャリソン郡。川を挟んでマンハッタンを臨む静かで(表向き)平和な町です。

町のまとめ役は、家族を犯罪者から守るため多くの刑事たちをこの町に移住させたNYPD警部補のレイ(ハーヴェイ・カイテル)。
そして町で保安官を務めるのが、この役のために体重を増やして望んだシルヴェスター・スタローン演じるフレディです。

若き日に、川に落ちた車の中から女性を助けたのが原因で片耳の聴力を失った彼は、NYPDに憧れて試験を受け続けているものの落ち続け、レイの紹介で保安官になったことから恩義を感じ、彼らの法律違反も見逃してしまうような気弱で無気力な男なんですね。

仕事以外の時はビーサンを履いて近所のバーでピンボールをしたり、自宅でクラシックのレコードを聞くのが趣味という、ポッコリお腹のダメ中年です。

そんなある日、マンハッタンにあるバーでNYPDの警官によるパーティーが行われ、参加したレイの甥で「スーパーボーイ」と呼ばれるNYPDのヒーロー警官マレーは、ギャリソンの自宅へ戻るために自家用車で橋を渡っている途中に当て逃げにあい、追跡中に逃走車の相手が銃を発射したと勘違い。持っていた拳銃で逃走車を撃って死亡させてしまいます。

現場に駆けつけたレイは事件をもみ消そうと、仲間たちとともに隠蔽工作をしたりマレーの自殺をでっち上げるものの、長きにわたって少しづつ歪んできた「コップランド」の土台はこの事件を境についに決壊し、事勿れ主義のフレディにも決断の時が迫るという物語。

さらに本作では、マフィアとつるんで行ってきたレイの不正の数々に目をつけていたNYPD内務調査班のティルディンを、盟友ロバート・デ・ニーロが演じているんですね。

これまでのヒーローイメージとは真逆のダメ中年の悲哀を演じ、ハーヴェイ・カイテル、デ・ニーロという名優を相手に渡り合うスタローンの演技は、個人的にはスタローンのキャリアの中でも、ベストアクトと言える名演だったと思います。

もう一人の「ロッキー」

スタローンの代表作「ロッキー」のロッキー・バルボアは、うだつの上がらない若者が「やる事を選択し」自身の勝利を掴む物語ですが、本作の主人公フレディは「選択しないまま」中年になってしまった男です。
目の前で起こる(レイたちの起こした)事件や不正を華麗にスルーし、惚れた女をNYPDの警官に取られ、挙句に部下にも見捨てられるような絵に書いたようなダメ保安官。

しかし、不正に溺れて麻痺してしまったNYPDの警官たちとは違い、心の奥底にあるなけなしの正義を燻らせていた彼は、クライマックスでついに目に見えない権力と戦う選択をします。その結果彼、得るものより失ったものの方が多かったのかもしれませんが、それでも彼は確かに人生を変える(小さな)自己実現を果たしたんですね。
そんな彼は、ある意味でもう一人のロッキーと言っても過言ではないし、行動を起こすのに年齢は関係ないと思わせてくれるのです。

監督・脚本はジェームズ・マンゴールド

そんな本作で監督・脚本を担当したのは、「X-MEN」のメンバー、ウルヴァリンの最後の戦いを描いた「ローガン」でも監督・脚本を担当したジェームズ・マンゴールド
20年前の作品にも関わらず、本作がそれほど古さを感じさせないのは、普遍的なストーリーテリングと丁寧な描写があればこそなんじゃないかと思います。

もし、公開当時に本作を見ていたらここまで刺さらなかったと思うし、「なんだよ、こんなのスタローンんじゃないよ!」と思ったかもですが、それから年月を重ねて自分もいい年のオッサンになった今、この作品に出会えたのは逆にラッキーだったかもしれません。

公開当時この作品を観たけどピンと来なかったスタローンファンも今観たらきっと、グッとくるんじゃないかと思うし、観ていなくてもスタローン映画リアルタイム世代の人は必見の傑作ですよ!

興味のある方は是非!!!

 

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福山雅治の新境地「SCOOP!」(2016)*ネタバレ有り

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、福山雅治が中年パパラッチ役を熱演して話題になった『SCOOP!』ですよー!

大根仁監督の前作「バクマン。」が面白かったので、本作も観ようと思ってたんですが、他の映画を観てるうちにうっかり忘れいて、今回やっとレンタルしてきました!

ちなみに、レンタルが始まってから随分経っている映画でもあるので、今回はネタバレありで感想を書いていきます。

なので、これから本作を観る予定の方は、映画を見たあとでこの感想を読んでくださいねー。
いいですね? 注意しましたよ?

 

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あらすじと概要

原田眞人が監督と脚本を担当した1985年公開の『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』を基にした福山雅治主演のドラマ。パパラッチとして生計を立てる中年カメラマンが、個性豊かな写真週刊誌の記者らと共に巨大な事件を追いかける。メガホンを取るのは『バクマン。』などの大根仁。共演として、『ヒミズ』などの二階堂ふみ、『HERO』シリーズなどの吉田羊、滝藤賢一リリー・フランキーらが顔をそろえる。報道に情熱を注ぐ者たちの姿はもちろん、髪とひげを伸ばした福山のワイルドな風貌にも注目。

ストーリー:写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(福山雅治)。しかし、今ではギャンブルに溺れている上に借金に追われつつ、フリーランスのパパラッチとして生活していた。そんな中、「SCOOP!」に配属されてきた新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とタッグを組むことに。情報屋のチャラ源(リリー・フランキー)からのネタと場数を踏んできて培ったベテランならではの勘を武器に次々とスクープをものにする静たちだったが、やがて大きな事件に関わることになり……。(シネマトゥデイより引用)

 感想

原作は原田眞人のドラマ

本作の『原作』は、原田眞人監督脚本で1985年に制作された『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』という単発のテレビドラマだそうです。(後に劇場公開されたとかされなかったとか)
その作品に強く感銘を受けた若き日の大根監督が、いつか自分の手で…と思い続けついに昨年、劇場版長編としてリメイクしたのが本作『SCOOP!』なんですね。

ちなみに「盗写~」の方では、本作で福山雅治が演じた主人公 都城静を原田芳雄が演じ、二階堂ふみが演じた行川野火を斉藤慶子が演じています。
また、本作ではオミットされた“カシバ”というキャラクターを宇崎竜童が演じているんですが、彼の性格や役割は他のキャラに割り振られているんだそうですよ。

大根監督は、この「盗写~」をリメイクするにあたって、一部配役やストーリーを整理する一方、「盗写~」にはなかったアクションやケイパームービー的見せ場を入れ込んでエンタメ映画に仕立て直したんですねー。

福山雅治二階堂ふみというキャスティング

僕は「盗写~」の方は観てないのですが、主人公の粗野な性格などはある程度踏襲されているようで、いわば時代遅れな昭和の男なんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com

そんな男を原田芳雄が演じれば絶対カッコイイのは分かるんですが、今の時代に下ネタセクハラを連発し、パワハラブラック企業並みの仕事内容をそのまま映像化してヒットさせのは正直難しい。

そこで大根監督は、活劇的エンタメ要素を入れ込み、主人公に女性人気の高い爽やかで清潔感のある福山雅治をキャスティングすることで、原作(と原田芳雄)の持つ劇画的男臭さを中和したのではないかと。(邪推ですが)
実際、本作での福山雅治の持つ爽やかさや、下ネタやセクハラをしてても憎めない感じと、大根監督のある種ポップな映像センスが融合することで、芸能スクープの持つマイナスなイメージがかなり中和されていますしね。

そんな主人公の相手役に、二階堂ふみを当てるというキャスティングも絶妙だなーと思いましたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

人気実力派女優である彼女の視点を徐々に変化させていくことで、観客が主人公に感情移入させられるように上手く誘導していたように感じましたし、福山雅治演じる都城静のどこか浮世離れしたキャラクターと観客を繋ぐ橋渡し的な役割もこなしていたように思います。

というわけで、ここからネタバレしていきますよー。

 

スパイ映画的面白さ

劇中、吉田羊演じるゴシップ誌「SCOOP!」副編集長 貞子に、無理やりコンビを組まされる形になった静と野火は、最初反発しあうものの芸能ゴシップのスクープ写真を狙う内に、徐々にバディになっていきます。

で、このスクープ写真を撮影するため二人が取る行動の数々は、難しいミッションに挑むスパイ映画のような感じで、見ているこっちもハラハラしつつもワクワクしてしまうんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / パパラッチシーンはスパイ映画的な楽しさ。

冷静に考えれば、彼らのやってることは観客にしてみれば一般的に嫌悪感さえ抱かれるような行動なんですけど、最初に野火がそんな観客の気持ちを代表する役回りを演じて、半ば巻き込まれるように仕事に楽しさを見出していく過程に感情移入しているので、気にならないという上手い作りになってるんですよね。

特に序盤の山場でもある、若手議員とアナウンサーの密会を写真に収め、SP相手にカーチェイスを演じるシーンなんかは007的と言ってもいいくらいで、ストーリー展開と映像の美しさもあって、冷静に考えたら「そんな訳無いだろう」というやりすぎ感満載のシーンながら、それを感じさせないカタルシスを与えているんですよね。
また、観客に一番近い視点を持つ野火の言動が、静を始めとした「プロ」の心情に変化を与え、物語の推進力にもなっています。

チャラ源の存在とリリー・フランキーの存在感

キャストで言うと、主人の公静や野火以上にインパクトを与えるのが、リリー・フランキー演じる情報屋のチャラ源です。

元ボクサーでヤク中というどうしょうもないヤツですが、静は彼に大きな恩義を感じていて、また大親友でもあるんですね。
しかし、後半の山場でもあるチャラ源が起こしたある事件によって、物語は衝撃の結末を迎えます。

前半では、腕っ節は強いし情報屋としても大いに頼りになるし、穏やかで優しいん男ですが、後半の山場、覚せい剤で錯乱し銃で元嫁の旦那や警官を撃ち殺し、娘を人質(本人にはその自覚なし)に、拳銃片手に街を歩き回る完全にイっちゃってるシーンとのギャップは、ゾクゾクするほど凄まじくて、リリー・フランキーの演技力と存在感恐るべし! って思いました。

ロバート・キャパ

そんな山場の前に、男女の仲になった静と野火。

一夜を共にした翌朝、一台のカメラを発端に静がカメラマンになった動機が語られます。

彼が野火に見せたのは一枚の写真。
これ劇中では詳しい説明がないんですが、ロバート・キャパが撮影した「崩れ落ちる兵士」という有名な写真だそうです。

で、このロバート・キャパというのは、実は架空の人物
彼の本名はフリードマン・エンドレ・エルネーという売れないカメラマンで、「ベテランのアメリカ人カメラマン ロバート・キャパ」という架空の人物を設定し、その名前で戦場写真を雑誌に売り込むのです。

その中の一枚が戦場で兵士が撃たれた決定的瞬間を収めたと“言われる”「崩れ落ちる兵士」で、この写真をロバート・キャパ名義で発表したところ世界的に注目を浴び、彼はカメラマンとして大成功を収めたんだそうですね。(ただ、この写真は捏造・ヤラセ・別人が撮影したなどの疑惑もあるとか)

そんなキャパの写真に魅せられカメラマンを目指した静ですが、「カメラマンになりたかったというより「何者か」になりたかった」というような心情を告白します。

元、エースカメラマンだった彼は、ある事件(劇中ではハッキリ語られないもののチャラ源絡みらしい)で会社をクビになり、そして今はフリーの中年パパラッチとして芸能ゴシップ写真を撮っているわけで、そんな彼の最後はまさにロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」とリンクする演出になってるんですね。

つまり本作は、ロバート・キャパという伝説の戦場カメラマンの写真を見てカメラマンになった静が、自分の生き様を野火に撮らせることで、彼のスピリッツが野火に引き継がれていうという「継承の物語」なんですね。

残念ポイント

ただまぁ、ところどころ「えー」と思うシーンもあって、例えば中盤の山場である連続殺人事件の犯人の顔写真を、警察のガードをかいくぐって撮影しようとするシーン。
もっとこう、観ているこっちが「あっ」と驚く(かつ腑に落ちる)作戦で撮影に成功するのかと思ったら、思った以上に行き当たりばったりでしたね。
と、ターゲットに見つからないように写真を撮る場面で二人がわりと大きな声で話すとか、「あ、結局SEXするんだ」とか、親友が自分を射殺するところを弟子に撮らせるのはどうなんだとか、っていうか一般人(静)が射殺されるまで何もしない警察はダメだろとか。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 無能すぎる警察の皆さん

ただ、その辺は演者の熱演や大根監督の演出と映像で、少なくとも観ている間はそれほど気にならないですけどね。

(好みは分かれるかもですが)個人的には面白かったし、映画としても見ごたえのある作品でした。エンドロールの二人の様子も、良かったですねー。

興味のある方は是非!!

 

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キャラクターと歌の魅力が気持ちイイ!「SING / シング」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、今年の3月に日本公開され、DVDレンタルが始まったばかりの3D長編アニメ『SING / シング』ですよー!
制作は「ミニオンズ」のイルミネーション・エンターテインメント。
シンプルかつベタな物語ですが、耳馴染みのあるヒットナンバーに乗せたクライマックスのライブシーンはカタルシス満点でしたー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

全ての人の中にある輝ける部分を見いだすことをテーマに、動物たちが歌唱コンテストで奮闘する姿を数々のヒットソングに乗せて描くミュージカルアニメ。劇場に活気を取り戻すために開かれた歌唱コンテストで、個性的な動物たちが思い思いの歌を披露する様子を映す。声の担当は、マシュー・マコノヒーリース・ウィザースプーンら俳優陣をはじめ、『テッド』シリーズでテッドの声も担当するセス・マクファーレン監督ら。なじみの深いヒット曲の数々に盛り上がる。

ストーリー:劇場を運営するコアラのバスター・ムーンは、以前は活気のあった劇場に輝きを取り戻すべく、世界最高の歌唱コンテストをプロデュースしようと考える。感傷的に歌うハツカネズミや、内気なゾウ、25匹も子供がいるブタ、パンクロッカーのヤマアラシらが会場に集結し……。(シネマトゥデイより引用)

 

 

感想

シンプルでベタな物語だけど…

米アニメ界の代表格といえば、何と言ってもディズニー&ピクサーで、テーマ、ストーリー、キャラクターと、本当に練りに練った隙のない作品ばかりですよね。

対してイルミネーション・エンターテインメント作品は、これまで「怪盗グルー」シリーズや「ペット」など、スラップスティックコメディーに徹した割と軽めの作品でしたが、本作はかなり大人も(というか大人こそ)感動する作品に仕上がってましたねー。

物語は、潰れかけの劇場を復興するためコアラの支配人バスター( マシュー・マコノヒー内村光良)が打ち出した企画は、素人を集めての「歌唱コンテスト」
そこに集まってきたメンバーたちは、全員、何かしら問題を抱えていて……という群像劇で、非常にシンプルかつベタなストーリーなんですね。

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ただ、裏を返せば、シンプルだからこそキチンと作り込めば面白くなるし、作品の強度は上がるというお手本のような作品で、さらにヒットソングやスタンダードな曲ろ物語がシンクロしながら進んでいくので、生理的にとても気持ちのいい作品になっています。

また、一つのシーンで笑いと涙を織り交ぜ、各キャラクターの置かれた状況や心情も最低限のセリフとシーンの流れで見せていくという全体的にとてもスマートかつ重層的な作りなので、ダレる部分が少ないのも良かったですねー。

魅力的なキャラクター

そんな本作の登場キャラクターは全て、人間ではなく動物です。
主要キャラクターは、

劇場の支配人でコアラのバスター・ムーン

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かなりいい加減なヤツでいつも借金返済に追われているんですが、子供の頃に観た羊の大歌手ナナ・ヌードルマン(ジェニファー・サンダース:大地真央)のステージに魅了されて、劇場の支配人を目指したんですね。
劇中では、ある事件をきっかけに全てを失い、そこで一番大切なことに気づきます。

 

ミーナ(トリー・ケリー:MISIA

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天才的歌唱力の持ち主だけど、超内気で人前に出ると緊張で歌えなくなる象の少女です。劇中彼女の歌声を聞いたムーンや仲間に励まされて、クライマックスのステージで歌うシーンは圧巻でした。

 

アッシュスカーレット・ヨハンソン長澤まさみ

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彼氏のランスとパンクロックのバンドを組んでいるヤマアラシの少女です。
惚れた弱みでランスを立ててきた彼女ですが、ランスの浮気が原因で破局
悲しみを振り払うために自作の曲でステージに立ちます。

 

ジョニータロン・エガートン大橋卓弥スキマスイッチ〉)

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父親がギャングのボスというマッチョな家系ですが、ジョニー自身は歌手志望で、ある事件の後、それを伝えたことで親子関係にヒビが入ってしまいます。

 

マイクセス・マクファーレン山寺宏一

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音大出身のストリートミュージシャンで、イカサマギャンブラーのネズミです。
体格のコンプレックスからか自分より大きい生き物に対してプライドが高く、ほかのメンバーを小馬鹿にする困った奴ですが、音楽に対してだけは真摯なのです。

 

ロジータリース・ウィザースプーン坂本真綾

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夫と25人の子供の世話と家事に追われる豚の主婦です。
そんな毎日に虚しさを覚え、コンテストに参加しますが、歌は上手いけどダンスが上手く踊れないのが悩みです。

 

グンター( ニック・クロール:斎藤司〈トレンディエンジェル〉)

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ロジータのペアを組む豚のダンサーです。
このメンバーの中では、唯一悩みがなくて明るい性格。
ロジータを励ましながらともにステージに立ちます。

 

そこに、イグアナの老婆でムーンの秘書ミス・クローリー( ガース・ジェニングス:田中真弓)や、ムーンの親友でナナ・ヌードルマンの孫エディジョン・C・ライリー宮野真守)などが、主要キャラを支えていくんですね。

彼らの悩みはどれも国籍や人種を超えた普遍的なもので、だからこそ観客は誰かしらに感情移入してしまうんじゃないかなーなんて思います。

音楽

というわけで、本作はミュージカル仕立ての作品です。
ただ、ミュージカルにも2種類あって、セリフや心情を歌で表現する「雨に唄えば」型と、歌と芝居が分かれている「天使にラブソングを」型に分かれますよね。

本作は後者なので、ミュージカルが苦手という人でも楽しめる作りになっているし、劇中歌もポップスにヒット曲だったり、スタンダードな名曲をアレンジしているので、曲名や歌手は分からなくても、どこかで聞き覚えのある曲ばかり。

例えば、ビートルズの「ゴールデン・スランバー」や「キャリー・ザット・ウェイト」
クイーン とデヴィッド・ボウイの共作「アンダー・プレッシャー」
スティービー・ワンダーの「くよくよするなよ! 」
他にもレディー・ガガきゃりーぱみゅぱみゅなどなど、新旧ヒット曲がシーンのBGMとしてだけでなく、キャラの心情に合わせて、なんと60曲以上も使われているんですね。

ちなみに曲には歌詞字幕もあるので(吹き替え版は日本語になってる)、英語が分からなくても問題なしですよ。(´∀`)

クライマックスのライブシーンは圧巻

そんな本作の白眉は、何と言ってもクライマックスのライブシーン
いろいろあって全てを失ったムーンが、ミーナの歌をきっかけに諦めかけていたショーを開催するんですねー。

そこで、ロジータ&グンター、ジョニー、アッシュ、マイク、ミーナが初めてのライブを行うわけですが、歌とアニメーションがピッタリハマっている気持ちよさと、それまでの物語の流れが重なって、思わず泣いてしまいましたよ。

さらに、このライブ中にもちゃんと物語が進行してるし、ミーナが歌っている時の「満月」の演出も、上手いなーと思いましたねー!

音楽の力と監督の素晴らしいストーリーテリング、そして笑いと涙満載で、大人から子供まで楽しめる素晴らしい作品で、個人的には大満足でした!

興味のある方は是非!!

 

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トニー・ジャー&ドニー兄貴も参戦!「トリプルX:再起動」(2017)

ぷらすです。

というわけで、前回第一作の復習も終わったので、今回ご紹介するのは本丸の『トリプルX:再起動』ですよー!

今回は、「マッハ!!!!!!!!」でお馴染みトニー・ジャーや「ローグワン」でもお馴染みドニー・イェン兄貴などアジア圏のアクションスターも登場。
国際色豊かなチームものになってました!

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あらすじと概要

型破りなシークレットエージェントの活躍を豪快に描き、ヒットを飛ばした『トリプルX』の続編。再びヴィン・ディーゼルを主演に迎え、息もつかせぬバトルが展開する。『イップ・マン』シリーズや『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などのアクション俳優ドニー・イェン、名優サミュエル・L・ジャクソンFCバルセロナ所属のサッカーブラジル代表ネイマールらが出演。華麗なアクションにホレボレする。

ストーリーエクストリームスポーツのカリスマにして、腕利きシークレットエージェントとしても名をはせたザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)に再びNSA国家安全保障局)から声が掛かる。今回の彼の任務は、危険な敵の手に渡ってしまった世界中の軍事衛星装置を奪還すること。ザンダーはNSAがそろえた精鋭部隊を一蹴し、新たにチーム“トリプルX”を編成する。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

今度はチーム戦! 

第一作では、基本ヴィン・ディーゼルが一人で世界の危機を救うため孤軍奮闘してたんですが、15年ぶりの本作はチーム戦。

(僕は観てないんですが)2作目の「トリプルXネクスト・レベル」をヴィン・ディーゼルが降りた事で、ラッパーでもあるアイス・キューブを主人公に据えたんですね。(そして映画は大コケ)

本作ではこの2作目の設定を利用し、1作目ではヴィン様のコードネームだった「トリプルX」を、サミュエル・L・ジャクソンがスカウトした歴代エージェントの総称ということにしたわけです。

で、元トリプルXで「チーム・ゴースト」としてヴィン様の敵として登場するのが、カンフー映画界のベテランで「スターウォーズ」シリーズ初のアジア人キャストに抜擢されたドニー・イェン兄貴

 

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マッハ!!!!!!!!」などのタイの格闘映画で彗星のように現れたアクションスターのトニー・ジャー
インドの女優でモデルのディーピカー・パードゥコーン
UFCミドル級王者のマイケル・ビスピン

格闘映画スキーな人なら、このキャスティングだけでワクワクしちゃうんじゃないでしょうか。

で、そんなトリプルXたちのボス、サミュエル・L・ジャクソンが、何故か上海でサッカーブラジル代表ネイマールをスカウトするところから物語はスタート。
そして、開始数分で早くも驚愕の展開に。(;´゚д゚`)エエー

そこからCIAに協力し、人工衛星をハックして好きな場所に落とせる「パンドラの箱」を探すことになったヴィン様は、自らスカウトした3人+ NSA工作員1人と組んで、チーム・ゴーストと対決、「パンドラの箱」奪還を目指すという物語。

ちなみに、チーム・ヴィン様率いる「チーム・トリプルX」のメンバーは、

オーストラリアのモデルでアーティストのルビー・ローズ。(天才狙撃手)

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スコットランドの俳優で『ゲーム・オブ・スローンズ』のサンダー・クレゲイン役で知られるロリー・マッキャン。(カースタントマン)
中国のイケメン俳優クリス・ウー。(つるむと楽しいDJ)

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ブルガリア生まれカナダ育ちの女優ニーナ・ドブレフNSA局員で武器開発のスペシャリスト)

という、こちらも国際色豊かな面々。
多分、この座組みは多人種混合キャスティングで成功した「ワイルド・スピード」シリーズを意識したんでしょうね。

まぁその分、本作のワイルド・スピード感」も増し増しだったわけですけどもw

ちょっといい話

本作の舞台の一つがフィリピンなんですが、実はロケ地はフィリピンではなくて、ドミニカ共和国にセットを建てて、フィリピンに仕立ててるんですね。
で、このドミニカ共和国とヴィン様にはある繋がりがありまして、10年前にドミニカ共和国大統領から映画産業誘致とインフラを構築する方法を尋ねられたヴィン様は、自身のお父さんが映画製作者になるための教鞭をニューヨークでとっていたことから大統領に父を紹介。さらに「映画関係者を育てるための基金」で専門学校も作ったんだそうです。

その縁もあって、本作のスタッフにはヴィン様基金で作られた専門学校出身の関係者が多数参加していたそうですよ。やるじゃんヴィン様。

今回もエクストリームスポーツ満載

エクストリームスポーツを参考にしたアクション満載だった第一作に習い、本作でも、パルクールアクションや、スケボー、ジャングルスキー、改造バイクで海の上を走るなどなど、エクストリームなアクションが満載。

さらに、格闘シーンのファイトコーディネーターには「ジョン・ウィック」の監督 チャド・スタエルスキー率いるスタントチームの一員であるジョン・バレラが担当しているので、トニー・ジャーやドニー兄貴の魅力を引き出した格闘シーンも観られます。
ただ、ドニー兄貴の動きが早すぎて、スローにしたり「もう少しゆっくり動いて」と監督が頼む事もあったとか。

お馴染みトニージャーのダブルニーアタックや、ドニー兄貴必殺、詠春拳の超連打も少しだけ観ることができますよー!(*゚∀゚)=3 ムハー

特に後半の山場、飛行機の中での無重力格闘シーンは新鮮でしたねー。

女優陣は全員美人

そして、本作にはメインの女性陣が3人登場するわけですが、みんな超綺麗なんですよねー。
ディーピカー・パードゥコーンはインド美人らしく目鼻のクッキリしたエキゾチックな顔立ちだし、男勝りな狙撃手を演じたルビー・ローズもスレンダーな美人。

そして、NSA局員で武器開発のスペシャリスト役を演じたニーナ・ドブレフは、アクションは少なかったですが、コメディーリリーフとしてキュートに活躍。
なんと、ドジメガネっ娘ですよ!! (;//́Д/̀/)萌え!

3人ともどこか雰囲気が似ているので、ヴィン様の趣味で選んだんじゃないかと邪推してしまいましたw

 

まぁ、今回もストーリーの方はツッコミどころ満載ではあるんですが、スタッフ側もそんなことは重々承知。
あくまでアクションや、キャストのファミリー感を重視した、キャラ萌え映画になってましたねー。

要は、細けぇこたぁいいんだよ! な映画で、ポテチでも食べながら友達と観るのに最適な映画なんじゃないかと思います。

興味のある方は是非!!

 

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ヴィン・ディーゼルを愛でる映画「トリプルX」(2002)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ワイルド・スピード」シリーズで一躍大スターになったヴィン・ディーゼル主演のアクション映画『トリプルX』ですよー!

続編「トリプルX:再起動」の前に、パート1は観ておいた方がいいのかなと一緒にレンタルしたんですが、ヴィン・デーゼルを愛でる映画でしたねーw

 

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あらすじと概要

ザンダーは命を懸けたスポーツ“Xゲーム”で若者たちにその名を知られるカリスマ的な存在。トレードマークは首の後ろに彫った“xXx”。どんな危険なゲームも平然とやってのけるその驚異的な身体能力と冷静な判断力が、やがて国家安全保障局NSA)の目に留まる。NSAのベテラン・エージェント、ギボンズは強引にザンダーを説き伏せ、彼をシークレット・エージェントに任命する。コードネームは“xXx(トリプルX)”。その任務とは、既に3人のエージェントが見破られ抹殺されていた過激な犯罪集団“アナーキー99”への潜入捜査だった…。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

ヴィン・ディーゼルが大暴れするいつものヤーツ

本作は「ワイルド・スピード」でコンビを組んだロブ・コーエンヴィン・ディーゼルが、新しいスパイ映画に挑戦した意欲作です。

ストーリーは、エクストリームスポーツのカリスマでユーチューバーのヴィン・ディーゼルが政府に目をつけられ、自由と引き換えにテロ組織に潜入してすったもんだの挙句壊滅させる……って、

それワイルドスピードやないかーい(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

ワイルド・スピードでも、最初こそ潜入捜査される側だったワルの大将ヴィン様も、今では立派なエージェントですしねーw

ワイルド~では本物の高級車がバンバン壊れるカーアクションがウリだったんですが、本作のウリは、アクションシーンや危険なシーンの多くをスタントマンとヴィン様自身が実際に演じているところでしょうか。

映画序盤、ラップやゲームを規制しようとしてる保守派? の議員の車を盗み、パトカーの追撃をかわしつつ橋から飛び出して破壊(ヴィン様はパラシュートで脱出)というアクションからスタート。(ヴィン様はその様子を裏動画サイト? に投稿して収益を得ているっぽい)

その後もサミュエル・L・ジャクソン演じるNSA国家安全保障局)の偉い人に捕まって、コロンビアの麻薬カルテルに送りこまれ、脱出するシーンではモトクロスバイクで爆炎の中を大ジャンプ。
テロ組織アナーキー99に潜入するため雪崩の雪山をスケボーで滑り降りスノーモービルチェイスととにかくアクション満載。

そういうのを、CGじゃなくほぼスタントマンやヴィン様が演じてるんですよね。
もちろん、弾着や爆破もCGなしで迫力満点。
さすがに雪崩はCGだと思いますけどもw

つまりは、いつも通りの「ヴィン・ディーゼル映画」ってことですね。

ヒロインはダリオ・アルジェントの娘

本作でヒロインのイレーナを演じるアーシア・アルジェントはイタリアの女優で、お父さんは「サスペリア」などで日本でも有名なイタリアホラー界の巨匠ダリオ・アルジェントなんですね。

イタリアでキャリアを重ねた彼女は、本作でハリウッドに進出。アメリカにも活躍の場を広げたんだとか。
前半の病んでる感が印象的だし独特な雰囲気の色気もあって、個人的に好きなタイプの女優さんでしたねー。

物語もいつものヴィン・ディーゼル映画

本作の悪役は、国に捨てられた恨みから毒ガス兵器を開発し国家という概念を破壊。新世界を作ろうとしている元ソ連の軍人のロシアンマフィア。

毒ガス兵器は小型ミサイルに搭載した無人の小型高速潜水艇からプログラムで自動発射する設定です。
それに対抗するヴィン様は、NSAから麻酔や血糊弾、実弾まで発射可能な多機能拳銃や、壁や服を透視できる双眼鏡、シップみたいな爆弾、秘密兵器満載のGTO1967年型ポンティアックGTO」などを駆使して敵の目論見を阻止しようとするわけですねー。

この辺は007オマージュでもあるんでしょうが、小五男子が考えたような武器のデザインや機能個人的に超ツボでしたw

とはいえ、「ワイルド~」では車というストーリー上の柱があるのに対し、本作はエクストリームスポーツのカリスマっていう設定ゆえに、見せ場は多いけど「コレ!」っていう物語上の柱がなかったのが少々残念な感じでした。
まぁスパイものだから仕方ないんでしょうけど、個人的にヴィン・ディーゼルのワルマッチョ感とスパイってあまり食い合わせが良くない感じがしましたねー。

「ワイルド~」のイメージが強いから余計にそう感じちゃうのかもですけども。

ただ、スパイもの云々は横に置いて、ヴィン・ディーゼルを愛でる映画だと思えば楽しく観られるしアクションシーンは満点の迫力なので、「ワイルド~」シリーズの好きな人やヴィン・ディーゼルファンにはオススメの一本じゃないかと思いますよー!

興味のある方は是非!

 

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今回は2作まとめて「ナイトミュージアム2」(2009)「ナイトミュージアム/エジプト王の秘密」(2015)

ぷらすです。

今回は、8月26日に感想を書いた「ナイトミュージアム」の続編、『ナイトミュージアム2』『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』を2本まとめてご紹介しますよー!

2007年公開の「ナイトミュージアム」から足掛け8年。
良いところも悪いところもある作品ですが、キャスト・スタッフが楽しんで作っているのが伝わる愛のある作品でした。

 

『ナイトミュージアム2』

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あらすじと概要

夜の博物館で、ひとりでに動き出した展示物たちによる騒動を描いた『ナイト ミュージアム』の続編。世界最大の博物館・スミソニアンを舞台に、ナポレオンやアインシュタイン、深海に住む巨大なダイオウイカまで、歴史や自然界の遺産たちが次々と動き出す。監督のショーン・レヴィと主演のベン・スティラーのコンビは前作を踏襲。『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスが、新たなヒロインとして登場する。歴史上の人物の恋や冒険に胸躍らされた前作と比べ、本作ではどんなアイデアが飛び出すが注目だ。

ストーリー:警備員として夜のニューヨーク自然史博物館を平和に戻して以来、ビジネスも息子との関係も良好なラリー(ベン・スティラー)。ある日、スミソニアン博物館の展示物から、助けを求める電話が舞いこむ。何と、世界征服を企むエジプト王ファラオが、歴史上の有名戦士たちを率いて戦いを始めようとしているとのことだっだ。(シネマトゥディより引用)

 

感想

舞台はスミソニアン博物館

NYのアメリカ自然史博物館を舞台に、夜中になると動き出す展示物たちとのドタバタを描いた前作から2年。

夜警の仕事と並行して始めた発明品が大当たりして会社を設立し、夜警をやめたラリーが久しぶりに博物館を訪れると、なんと改装に当たり展示物のほとんどがワシントンのスミソニアン博物館倉庫に送られる事を知ります。

何とか阻止しようと理事会に掛け合うものの決定は覆らず、会社の方でも大きな取引を控えた夜、スミソニアンに送られたカーボーイのミニチュア、ジェド(オーウェン・ウィルソン)からSOSの電話が。驚いたラリーは急ぎワシントンへ向かうが……。

という内容。

今回の舞台は、世界最大の博物館ということで前作よりも登場キャラも増えてスケールも大幅にアップ。
新たにヒロインとして、大西洋単独横断飛行に成功した世界初の女性パイロット、アメリア・イアハートエイミー・アダムス)も登場し、ラリーとのロマンスなど盛りだくさんの内容になってました。

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それはそれでもちろん楽しいし、アメリア・イアハートはとてもチャーミングで魅力的だったし、前作からの役者のアドリブを活かす演出でコメディーシーンも充実。

あと、スミソニアンにはロビン・ウィリアムス演じるテディの胸像があるんですが、何か往年のハナ肇を思い出して笑ってしまいましたw

規模が大きくなりすぎて…

なんですが、その分前作の主要キャラの出番は減り、ぶっちゃけ居るだけ状態だったし、物語的にも詰め込み過ぎて全体的にとっ散らかった印象は拭えませんでしたねー。

登場キャラが多いということは、必然的にアドリブも増えるということで、それらを活かすために(もちろん編集はされているものの)物語のテンポも若干悪くなっていて、演出方法と物語の規模が噛み合ってない印象を受けましたねー。

あと、ラリーの抱えている問題が、ちょっと伝わりにくかったかも。

でも、観ている分には十分楽しいし、一作目でキャラクターに愛着も沸いてるので「またあいつらに会えた」喜びも手伝って、個人的には楽しむことができましたねー。

 

『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』

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あらすじと概要

夜になると博物館の展示物が動き出す『ナイト ミュージアム』シリーズ最終章。展示物に命を吹き込むエジプト王の石板の魔力が消えかかる危機を回避すべく、ニューヨーク自然史博物館からロンドンの大英博物館へ乗り込んだ夜警のラリーと仲間たちが大騒動を繰り広げる。主演のベン・スティラーロビン・ウィリアムズオーウェン・ウィルソンらおなじみの顔ぶれに加え、オスカー俳優のベン・キングズレー、テレビドラマ「ダウントン・アビー」シリーズなどのダン・スティーヴンスらが新たに登場。

ストーリー:ニューヨーク自然史博物館の展示物に命を吹き込むエジプトの石板(タブレット)の魔力が消えかけていた。最悪の事態を回避すべく夜警のラリー(ベン・スティラー)と仲間たちは、石板の謎を解く鍵を求めロンドンの大英博物館へ向かう。一行はエッシャーのだまし絵に迷い込み、恐竜の化石や九つの頭を持つ大蛇に襲われ、ロンドン市街でチェイスを繰り広げるはめに……。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

物語最終章の舞台はロンドンの大英博物館

パート2のラストで、アメリカ自然史博物館の夜警に戻り、また自ら発明したテクノロジーで展示物が生きているように動くという体で、展示物たちと共にショーを見せていたラリー。

そんなラリーの悩みは、17歳になった息子のニックが大学に行かずにDJになると言い出したことでした。

そして博物館の新企画として、プラネタリウムショーのお披露目の日、突然展示物たちが暴走し、ショーは滅茶苦茶になり、館長のマクフィー博士がクビにされるという自体に。原因は展示物たちに命を吹き込んでいた石版の魔力が消えかかっていた事だと分かり、ラリーと展示物たちは石版を作ったアクメンラーの父親、エジプト王のマレンカレに会うため、ロンドンの大英博物館に向かうという物語。

前作であまりにも規模が大きすぎたことで、アメリカ自然史博物館の主要キャラの活躍がなかった事を反省したのか、今回は1作目のキャラクターたちが大活躍します。

物語的にも、1作目の雰囲気に近くシリーズ三作を観てきた人には満足できる出来になっていたんじゃないかと。

ただ、ニック役の子が変わっちゃったのはちょっと残念でしたけど。

舞台が大英博物館ということで、本作で事態をややこしくするのが、アーサー王の物語に登場するランスロットダン・スティーヴンス)。アニメ好きなら「Fate」シリーズの英霊としてお馴染みですよね。(こっちのランスはかなり間抜けですけどもw)

また、「ピッチパーフェクト」でファット・エイミーを演じたレベル・ウィルソン大英博物館の夜警として、ヒュー・ジャックマンが本人役で出演してますよ。(しっかりウルヴァリンネタもしてましたw)

シリーズの締めくくりにふさわしい

本作を駄作・凡作という人もいますけど、個人的にはツッコミどころ満載の内容も含めて、「ナイトミュージアム」らしいと思ったし、主演のベン・スティラー一人二役を演じたり、エッシャーのだまし絵の中でのアクションシーンは新鮮でしたねー。
それに3作目ともなると各キャラクターにもすっかり愛着が沸いてるのもあって、僕はパート2よりも本作の方が好きでした。

で、本作はロビン・ウィリアムスの実質的な遺作(このあと「ミラクル・ニール!」で声の出演はしてますが)でもあり、彼の演じるテディとラリーの掛け合いは楽しげで、なのでテディの最後のセリフには、思わず泣いてしまいましたよ。

 

本作はお世辞にも「映画として」特別優れているとは言えませんが、キャラ(の関係性)萌え映画として観ればかなり楽しく観られるシリーズなので、まだ未見の人は3本まとめて観るのもいいかもしれませんねー。

興味のある方は是非!!

 

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