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ゾンビがいる世界のラブストーリー「ゾンビの中心で、愛を叫ぶ」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、北欧からやってきたゾンビ映画ゾンビの中心で、愛を叫ぶ』ですよー!
まぁ、近年希に見る、アレな邦題ですけど、もちろん“あの映画”とは何の関係もありませんよw

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概要

ゾンビがまん延した世界を舞台に、離婚秒読みの夫婦に訪れたサバイバル生活を描いた北欧発のホラーコメディー。アントニオ・スティーヴ・トゥブレンがメガホンを取り、脚本や音楽なども担当した。『クレアモントホテル』などのゾーイ・タッパー、ドラマシリーズ「ダウントン・アビー」などのエド・スペリーアスのほか、アントニア・キャンベル=ヒューズ、ヤン・ベイヴートらが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

ゾンビ映画の現在

1968年公開の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」から52年。
映画だけに留まらず、コミック、ドラマ、ゲームなどさまざまなメディアに進出し、一方で低予算で作れることから、若手映画人の登竜門的に次々世に送り出される「ゾンビもの」は、現在ではレンタルビデオ店でも一大ジャンルになっています。

それゆえ、近年では他作品との差別化を図るため、例えばミュージカルとゾンビを合体させた「アナと世界の終わり」や古典文学と合体させた「高慢と偏見とゾンビ」のように別ジャンルと合体させたり、一方で「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ゾンビランド」のようにゾンビ映画の構造をパロディーにしたコメディ路線や、逆に韓国映画の「新感染」やシュワちゃん主演の「マギー」、ゾンビウィルスに感染した父親が赤ん坊を誰かに託すため旅に出る7分の短編「Cargo」などの、いわゆる“泣けるゾンビ映画”など、細分化された作品も増えています。

本作もまた、そんな細分化されたゾンビ映画の系譜にある作品で、ある事をキッカケに冷え切ってしまった夫婦が、ゾンビウィルスの蔓延する世界でマンションの一室に閉じ込められ、サバイブするうちに愛を取り戻すのだが――という物語。

本作の中でのゾンビは、あくまでこの夫婦を自宅マンションから出さない為の装置であり、本質的にゾンビ映画というよりラブストーリーなんですよね。

ざっくりストーリー紹介

北欧のタワーマンションの一室、教師のジョンエド・スペリーアス)と警察で働くカレン(ゾーイ・タッパー)は、“あること”がキッカケで夫婦仲が冷え切ってしまった倦怠期の夫婦。
カレンは離婚を考えていて、今日明日にもジョンに伝えようと考えているんですね。

そんな矢先、ゾンビウィルスの蔓延によって二人はマンションから出られなくなり、自宅で救助を待つことに。

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とりあえず、当面の食料を確保するためカレンは、住人のいない同じ階の部屋から飲食物を盗むことを提案するんですが、真面目なジョンは抵抗感があるんですね。
しかし、背に腹は変えられぬと食料や衣服を“調達”するうち、二人の行動は次第にエスカレート。大型テレビやお気に入りのドレスなども盗み出すんですね。

また、カレンはジョンが出かけている昼間からワインを飲んでいたり、職場で押収された各種ドラッグや拳銃までパクって隠し持っている事も判明。

呆れるジョンでしたが、閉塞的な環境の中で二人は酒とドラッグとセックスに明け暮れ冷え切っていた愛が再燃。

そんなある日、マンションのコインランドリーに閉じ込められていたというお隣さん夫婦が助けを求めてきたため、二人は部屋に招き入れるのだが――という物語。

この前半から中盤にかけては、いわゆる(ブラック?)コメディーとして進むんですが、その後、後半からクライマックスにかけて物語は予想もしない方向へと進んでいくんですねー。

邦題問題

で、本作の原題は「ZOO(動物園)」なんですが、まぁ、意図はわかるけど正直そんなに的を得たタイトルというわけではないんですよね。
そういう意味では「ゾンビの中心で、愛を叫ぶ」という、例の映画を句読点までまるっとパクった邦題に最初は如何なものかと思いましたが、少なくとも日本人的には、この邦題の方が内容に沿っていると言えなくもないというか。

低予算の地味でコレといった売りのない本作に、せめてものインパクトをっていう配給会社の苦労も透けて見えますしね。

ラブストーリー

で、本作は前述したようにゾンビのいる世界の中で進むワンシチュエーションのラブストーリーです。

ゾンビ映画の定義が「ゾンビのいる世界」を舞台に人間の醜さや美しさ、社会への風刺を描くことなので、そういう意味では本作もゾンビ映画の定義から大きく外れているわけではないんですが、基本的に殆どゾンビが出てこないのでホラーパニックを期待して本作を観ると肩透かしを食らってしまうかもしれません。

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また、ストーリー構成も上手いとは言い難く、特に中盤はかなり中弛みしていてもう少し何か展開が欲しいと思いましたねー。

95分しかない作品なのに、やけに時間が長く感じてしまったのは、やはり中盤以降の工夫が足りないと言わざるを得ないですしね。

でも、ありきたりと言えばそうなんですけど、個人的にラストシーンは結構好きでしたよ。

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端的に面白くない「ザ・スピリット」(2009)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「バットマン:ダークナイト・リターンズ」「シン・シティ」の原作者として知られるコミックアーティスト、フランク・ミラーが監督した『ザ・スピリット』ですよー!

漫画家とはいえ、「シン・シティ復讐の女神」では脚本、ロバート・ロドリゲスとの共同監督も務めているフランク・ミラーが、一体どんな作品を撮ったのか気になったので、早速レンタルしてきました!

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概要

アメコミ界の巨匠ウィル・アイズナー原作の同名グラフィック・ノベルを『シン・シティ』『300 <スリーハンドレッド>』の原作者フランク・ミラーが実写映画化。死からよみがえり、愛する街を守るために犯罪組織と戦う仮面のヒーローを『グッド・シェパード』のガブリエル・マクトが熱演する。彼の宿敵にサミュエル・L・ジャクソンがふんするほか、エヴァ・メンデススカーレット・ヨハンソンらが共演。洗練された衣装の数々や、白黒を基調にしたスタイリッシュな映像も見どころだ。(シネマトゥディより引用)

感想

ザ・スピリット」とは

この映画の原作は、1940年に新聞(日曜版)マンガとしてスタートした、アメコミ界の巨匠ウィル・アイズナーのコミック。
恥ずかしながら僕はウィル・アイズナーという人はよく知らないんですが、それまで子供向けのカートゥーン的なマンガ(日本で言えば4コマ的な?)が主流だったアメコミに“映画的”ドラマやコマ割りなどを持ち込み、現在のアメコミ体系の礎を築いたという、日本で言えば手塚治虫(もしくはさいとう・たかを?)的な人らしいんですね。

では、この「ザ・スピリット」がどんなコミックかというと、毒殺されたと思われたものの、墓の中で息を吹き返し、覆面のクライムファイター(=犯罪者退治専門のヒーロー)として活躍する刑事デニー・コルトの活躍を描いた物語Wikipediaより)だそう。


作品の舞台は「セントラル・シティ」となってますが、多くのヒーローコミックがそうであるように、本作もNYをモデルにしています。

で、子供の頃からウィル・アイズナーに多大な影響を受け、生前の彼とも親しかったコミックアーティストのフランク・ミラーが自ら脚本・監督を担当、2008年にこの「ザ・スピリット」を実写映画化したわけです。

フランク・ミラーと言えばマーベルヒーローの「デアデビル」やDCコミックの「バットマンダークナイト・リターンズ
映画化された「300」や「シン・シティ」などを手がけたことでも有名で、同じくコミックアーティスト・ライターのアラン・ムーアなどと共にアメコミ/モダン・エイジの代表的なアーティスト。

また「シン・シティ」の続編「~復讐の女神」では、脚本やロバート・ロドリゲスと共同監督も務めています。

ざっくりストーリー紹介

セントラルシティの刑事・デニー・コルトガブリエル・マクト)は、職務中に拳銃で撃たれて殉職。
しかし、墓の中で息を吹き返した彼は不死身の身体になり、仮面のヒーロー「スピリット(魂)」として、警察と協力しながら街を守っているわけです。

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そんなある晩、警察の要請で沼地に駆けつけたスピリットは、宿敵オクトパスサミュエル・L・ジャクソン)と対決。

オクトパスの狙いは、沈没船に積まれていた宝箱を引き上げることでしたが、女盗賊のサンド・サレフエヴァ・メンデス)と遭遇したせいで、互いの標的が入った箱を取り違えてしまったのです。

オクトパスが狙ったのは英雄ヘラクレスの血で、サンドが狙ったのはイアソンが手に入れたという伝説の金羊毛

二人は互の宝を交換する取り引きをしようとするも、そこにスピリットが割って入り――というストーリー。

まぁ、ヒーローと言ってもスピリットの特殊能力は「死なない」ことだけ。
敵のオクトパスも基本は若者たちに麻薬を売りつけるギャングのボスであり、手下のクローンを作ったりするマッドサイエンティスト。そんな彼の目的は「不老不死」と「世界征服」で、その為には「ヘラクレスのDNA」が必要なわけです。

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映画のルックはデジタル加工された白黒の画面に赤や青の差し色が入るというシン・シティ」と同じ方法だし、内容的にも1930~40年を舞台にしたフィルムノワール調になってるんですね。

端的に面白くない

じゃぁ、面白かったかと聞かれると、端的に言えば「面白くない」と答えるしかないというか。

それこそミラーのコミックをそのまま映像にしたようなシン・シティ的映像自体は洒落てると思うんですが、ストーリーの方はアイズナーの原作コミックを意識している所為か、2000年代の映画としては正直古臭いというか単純すぎるというか。
まぁ、“墓場から蘇ったヒーロー”という原作に対して、何故そうなったのかという一応の理屈はあるものの、なぜ彼が街を守るヒーローになったのかという行動原理は謎なんですよね。
これがバットマンなら、「両親を殺した“犯罪”への復讐」という動機があるわけですが、スピリットにはそれがないので何のために命懸けで戦ってるのか分かりづらいし、初恋の女の子にフラた反動でプレイボーイになったという設定も今どきの映画としては(´ε`;)ウーン…って感じ。

オクトパスの、不死身になって世界征服ってのも今どきリアリティーが無さ過ぎるし、そもそも不死身ってだけでは世界征服出来ませんしね。

あと、これも原作リスペクトだと思うんですが、この映画コメディーシーンがちょいちょい挟まれるんですが、これがどうにもスベり倒してる。

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画像出典元URL:http://eiga.com /オクトパスに急所を攻撃されて悶絶するスピリット

例えば、ホテルの窓からサンドに突き落とされた彼のジャケット?が引っかかって宙吊りになって、それを市民が「落ちろ落ちろ」と囃したてたり、スピリットが女の子たちが乗ったエレベーターに飛び移るため、ベルトを外して引っ掛けようとするけどズボンが下がってパンツ丸見えとか。

オクトパスの子分でクローンの、ファボス(ルイス・ロンバルディ)たちも、研究が未完成なのでみんな間抜けだったし、オクトパス自身も頭がいいようには見えないとか。

そうした原作リスペクト?のコミカルな部分と、フランク・ミラーフィルム・ノワール的な映像との食い合せが超絶悪いのです。

いっそ、コミカルなシーンもマンガ的な突拍子もない設定もなくして、完全にハードボイルドなフィルム・ノワールにすれば、まだ観れたかもですが、中途半端にアイズナーとミラーの世界観を合わせてみたら、主人公のスピリットがカッコつけのお間抜けヒーローになっちゃった的な。

あと、やたらナレーションでの説明が多かったり、セリフで状況を説明しちゃったりするのも垢抜けない。
おそらく、コミック表現をそのまま実写にする的な考えだと思うんですが、それをやって成功したのは「シン・シティ」くらいで、それは原作もフランク・ミラー自身だったからなんですよね。(それだってロバート・ロドリゲスが「映画」になるように調整してたし)

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そんなこんなで、本作はコミックの実写映画としても「面白くない」し、ヒーロー映画としても主人公が「カッコ悪い」っていう残念映画になってしまってたんですよね。

でもまぁ、EDロールで流れるフランク・ミラーが書いた絵コンテ?はカッコイイですよ。

興味のある方は是非

 

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伝説のアウトロー最後の花道「さらば愛しきアウトロー」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、1970年代ハリウッドのトップに君臨していた大スター、ロバート・レッドフォードの俳優引退作『さらば愛しきアウトロー』ですよー!

レッドフォードって、僕の一世代前の大スターといった印象で、作品の方も正直「明日に向って撃て!」と「スティング」
あとは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」くらいしか印象がないんですけど、俳優・監督・プロデューサーとして数々の名作を送り出してきたレッドフォードが「俳優引退作」と宣言した本作なので、やっぱり観ておくことにしました。

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概要

監督、プロデューサーとしても活動している俳優ロバート・レッドフォードが主演を務めたクライムドラマ。異色の犯行スタイルで銀行強盗を重ねた実在の犯罪者フォレスト・タッカーをレッドフォードが演じる。タッカーを追う刑事に『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などのケイシー・アフレックがふんするほか、『歌え!ロレッタ愛のために』などのシシー・スペイセクらが共演。『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』などのデヴィッド・ロウリーがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)

感想

長きに渡り映画界に貢献してきた男ロバート・レッドフォード

僕が初めてロバート・レッドフォードを知ったのは、テレビ洋画劇場で観た「明日に向って撃て!」だったと思います。
この作品はアメリカンニューシネマ初期の傑作で、ロバート・レッドフォードポール・ニューマンがW主演でアウトローブッチ・キャシディサンダンス・キッドを描いた物語。

アウトローを描いた映画ながらどこか青春映画のような爽やかさもある作品で、当時まだ無名だったレッドフォードはこの作品で一気にブレイク。
ハリウッド屈指の美男俳優としてスターダムを駆け上ります。

そしてもう一本が、同じくレッドフォードとポール・ニューマンのコンビ演じる詐欺師が、イカサマでギャング組織を追い詰めていく物語で、これが映画としても最高で子供心にも超面白かったんですよねー!
僕が映画好きになったのは、この作品のおかげと言っても過言ではありません。

ただ、この二作の印象が強烈すぎて、彼の他の作品は(多分観てはいるんだけど)ほとんど覚えてないし、70年後半~80年代に入るとスタローン、シュワちゃん、ジャッキーなどなど、能天気ボンクラ映画時代が始まって、僕もそっちを夢中で追いかけるようになり、ロバート・レッドフォードの事はすっかり忘れてしまうのです。

しかし、僕が観ていない間も俳優として着実にキャリアを積んだ彼は、1980年には初監督した映画『普通の人々』でアカデミー監督賞を受賞。
以降は、俳優・監督・プロデューサーとして数々の名作を世に送り出す一方、ユタ州のパークシティに若手映画人の育成を目的として「サンダンス・インスティテュート」を設立したり、インディペンデント映画とその製作者を世に送り出す目的で「サンダンス映画祭」を開催するなど後進の育成にも力を入れ、長きに渡り映画界に貢献してきたのです。

そして80歳を超えた彼が、自らの俳優引退作に選んだのが本作「さらば愛しきアウトロー」だったんですねー。

ざっくりストーリー紹介

本作は「この映画はほとんど実話である」という字幕からスタート。
映画評論家の町山智浩さんによれば、この字幕「明日に向って撃て!」の最初に出る字幕と同じなのだそうです。

本作の主人公はフォレスト・タッカーというお爺ちゃん。
ただ、このお爺ちゃん、74歳にして現役の銀行強盗なんですね。

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物語は1981年のテキサス州からスタート。
銀行から出て来たスーツ姿の老紳士が白のセダンに乗りイヤホンで警察無線を聞きながらその場を去ります。
バックでは彼が聞いている「武装した容疑者は白いセダンで逃走中」警察無線が流れ、紳士は道の角を曲がってガレージ?に入ると、出てきたときには青の車に乗り換えているんですね。

実は彼こそが“武装した容疑者”フォレスト・タッカーなのです。

その後、「容疑者は高速道路に~」という警察無線を聞きながら車を走らせるタッカーは、道端で故障しているトラックを発見。車を道路脇に止めてトラックを覗き込む老婦人に声を掛け、その脇をサイレンを鳴らしたパトカーが通り過ぎていく。という、最高のスタート。

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その後、タッカーは仲間の老人二人とアメリカ各地で銀行強盗を繰り返しながら、トラックの老未亡人ジュエルシシー・スペイセク)とデートを重ねるんですが、やがて彼を追う刑事ジョン・ハントケイシー・アフレック)がじわじわ彼を追い詰めていき――というストーリー。

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実話をもとにタッカーとレッドフォードを重ねた作品

この主人公フォレスト・タッカーは実在の人物で、16歳で自動車を盗んで逮捕されて少年院を脱走してから2004年に83歳で亡くなるまで、90件以上の銀行強盗と16回の脱獄に成功したというとんでもないお爺ちゃん。

銀行強盗の手口も独特で、スーツをビシッと決めて銀行に入り、支店長や窓口の行員に対しても礼儀正しく接しながら懐の拳銃をチラ見せ。
カバンにお金を詰めさせると、笑顔を残してその場を去っていくというね。

なので強盗被害に遭った支店長や行員は、警察の聞き取り調査に対して「紳士だった」と口を揃えるのです。

で、警察に逮捕される時も彼は笑顔だったそうで、何故ならその時には刑務所から脱獄する気満々だから。
実際、様々な手口で刑務所から脱走してみせたタッカーですが、中でも伝説になっているのが1970年代のサン・クエンティン刑務所からの脱獄。

彼は、刑務所の中にある材料を加工してボートを作り、それで海に漕ぎ出して脱獄を成功させたというんですね。

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劇中でも、逮捕され面会に訪れたジュエルに脱獄を仄めかすシーンがありますし、たまたま同じ店にいた刑事のジョン・ハントに自分から接触してみたり、まるでゲームでも楽しむかのように犯罪を犯している
銀行強盗と脱獄は、彼にとって生活のためではなくて、ある種の趣味であり生き甲斐でもあるわけです。

だから銀行強盗中も逃走中も逮捕されても、彼は笑顔を絶やさないんですよね。楽しくて仕方ないのです。

対するレッドフォードは、イケメン俳優としてブレイクした後、監督やプロデューサーとしても評価され、後進も育てるという根っからの映画人。
その意欲は80歳を超えても衰えることがありません。

何故なら、彼にとって映画は趣味であり生き甲斐だから。

本作は、そんな二人の人生を重ねて描くことで、レッドフォードの映画人としての歴史をメタ的に語っているわけですね。
ちなみに本作の原題は「The Old Man & the Gun」(老人と銃)
これはもちろん、ヘミングウェイの「老人と海」をオマージュしたタイトルだし、タッカー、レッドフォードを老漁師サンチャゴとも重ね合わせているわけです。

明日に向って撃て!」で一躍スターになったレッドフォードの俳優人生の幕引きの作品を、まったく同じ字幕からスタートさせるのは、本作が“そういう”映画なのだというファンへのメッセージでもあるし、最後に老境のアウトローを主人公に据えたニューシネマ的物語を選んだ事も、最初と最後が同じカットで終わる「ブックエンド」を狙っているんだと思うんですね。アウトローで始まりアウトローで終わる的な。

そしてそれは、ある時から巨大資本で動くハリウッドのメインストリームに背を向けて、インディペンデントに向かうレッドフォード自身の人生とも重なるわけです。

そんな本作では「明日に向って撃て!」意外にも、「出逢い(The Electric Horseman)」や「逃亡地帯」、「スティング」などなど、彼の過去作のオマージュは散りばめられているし、映画のルックやテンポなども意識的に70年代を意識した作りになっていて、俳優ロバート・レッドフォードの最後を飾るに相応しい、花道のような作品なのです。

なので本作単体で観れば、正直微妙な部分もあるかと思うんですが、レッドフォードの歴史を知っている人にとっては、最高の作品と言えるのではないでしょうか。

興味のある方は是非!!

 

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山崎貴監督の最高傑作「アルキメデスの大戦」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、菅田将暉演じる天才が数学の力で戦争を止めようとする『アルキメデスの大戦』ですよー!

山崎貴監督作に好意的とは言えない僕ですが、この作品に限っていえば面白かったし、あのオチも含めて凄く上手いなーって思いましたねー。

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概要

「週刊ヤングマガジン」連載の三田紀房のコミックを原作にした歴史ドラマ。1930年代の日本を舞台に、戦艦大和の建造計画を食い止めようとする数学者を描く。監督・脚本・VFXを担当するのは、『ALWAYS』シリーズや『永遠の0』などの山崎貴。主演は『共喰い』や『あゝ、荒野』シリーズなどの菅田将暉。軍部の陰謀に数学で挑む主人公の戦いが展開する。(シネマトゥディより引用)

感想

マンガ原作実写化作品

本作は「週刊ヤングマガジン」に連載中の三田紀房の同名コミックを原作に、山崎貴監督が実写映画化した戦争映画です。
天才数学者の主人公・櫂直(かい・ただし)が、数学を駆使して戦艦大和建造=戦争を止めようとするという、戦争映画としては変わり種の作品ですが、「世に蔓延する不合理に理詰めで立ち向かう」という内容は、「ドラゴン桜」や「砂の栄冠」など、三田さんの過去作に通じるものがあるのではないでしょうか。

事実、三田さんは「砂の栄冠」終了後の次作の構想を練っている最中、国立競技場建設を巡るゴタゴタを見て本作を思いついたという背景があり、そういう意味では太平洋戦争と今の日本を重ね合わせた、非常に現代的な作品と言えるのかもしれません。

そんな原作マンガの大ファンで、実写映画化を熱望していた山崎監督は、原作コミックの1~3巻にアレンジを加え、本作を制作したのだそうです。

また、冒頭約5分の戦艦大和沈没までのシークエンスを、山崎監督が所属する実質日本トップのVFX制作会社「白組」が担当。
日本映画史に残る、大スペクタクル映像を作り上げたんですね。

歴代邦画ナンバー1の沈没シーン

本作は1945年4月7日、大日本帝国海軍の巨大戦艦大和が米軍の猛攻の前に成す術なく撃沈される約5分のシークエンスからスタートします。

敵戦闘機による銃撃や魚雷攻撃の前に必死の抵抗を見せる大和でしたが、物量で勝る米軍の前には成す術がなく、最終的には海に投げ出され、一度は難を逃れたかに見えた乗組員を飲み込む巨大生物のように転覆。

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この一連のスペクタクルを白組のVFXで見事に描いているんですね。
もちろん、大予算のハリウッド映画などに比べれば見劣りはするものの、邦画としては過去トップクラス…というかナンバー1と言っても差し支えない見事な出来だったと思いました。

また、このシーンではそれだけに留まらず、撃墜した敵機パイロットを、哨戒機が回収していくのを銃座の乗組員が呆然と見送るシーンがあるんですが、このシーンはまさに本作の根幹に関わるとても重要なシーン

もちろんそれは「仲間を救うアメリカ人」的な“イイ話”というわけではなく、“人的資源を無駄にしない米軍の合理性”や日本の戦争に対する思想の違いを、その映像一発で見せているのです。

この演出は非常にスマートだし、完璧なスタートだったと思いましたよ。

そこから時系列は遡って1933年。

海軍では新造艦をめぐる会議で、来る航空戦に備え航空母艦の必要性を説く永野修身中将國村隼)と山本五十六少将舘ひろし)と、大艦巨砲主義派の嶋田繁太郎少将橋爪功)が激突。

そこに、嶋田派の平山忠道技術中将田中泯)が持ち出した巨大戦艦の模型は、大角岑生大臣小林克也)をも魅了、流れは巨大戦艦新造に大きく傾きます。

料亭で今後の方針を話し合う永野と山本は、平山案の建造予算が異様に安いことに着目。その裏に隠されているハズの不正を暴き、巨大戦艦新造を阻止しようと考えますが、次回会議までたった2週間では適正予算を割り出すことはとても不可能と、途方に暮れるんですね。

で、話し合いを中止し芸者を読んで飲もうという話になるんですが、芸者は同じ料亭で豪遊する学生服の若者が独り占めしている。
そこで山本は彼に芸者を融通するよう説得に行くんですが、その若者、櫂直菅田将暉)の数学能力の高さに気付いた山本は、彼に新造戦艦の適正価格を割り出させようと考えます。櫂は日本屈指の天才数学者だったのです。

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しかし日本と軍隊の非合理性に幻滅する櫂は頑なに断り、アメリカに留学しようとするんですが、出発の間際、戦争に負け人々が焼き尽くされる姿を想像し、「国民に幻想を与える戦艦案を阻止することで、戦争を阻止する」という山本の説得に応じる――というストーリー。

しかし、戦艦の適正価格を割り出そうにも、戦艦に関する資料は全て軍規によって閲覧不可。まして戦艦に対して素人の櫂には到底不可能と思われるんですが、数学の天才である彼は数学と若者らしい行動力で、困難なミッションの打破に挑むのです。

観る前からネタバレしてる本作をどう盛り上げるのか問題

とは言え、冒頭のシーンで大和が作られ沈む事は分かっているし、後に日本が戦争に大敗することも観ている全員が知っているわけで、櫂の挑戦が徒労に終わることは最初から分かっているんですね。

つまり、SWのプリクエル・トリロジー(ep1~3)でアナキンがダースベーダーになることを全員が知ってるのと一緒で、本作は観る前からネタバレしているわけですよ。

そんな物語をどう盛り上げていくのか、どう着地させるのかが本作の見所なのです。

結論から言えば、中盤以降は櫂のサポート役として田中柄本佑)という若者を配すことで、ホームズとワトソンが難事件解決に挑み、その頭脳と発想で解決の糸口を見つける展開で引っ張り、後半の山場となる会議では名探偵による解決編、もしくは法廷劇的に盛り上げ、クライマックスにはまさかの(アクロバティックな)どんでん返しが用意されていて「そう来たか!」と思わず膝を打ちましたよ。

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しかも、その着地に向けて、序盤からしっかり伏線が敷かれていて、このクライマックスでしっかり回収されているんですよね。

キャストもいい

結果、ラストの後味は悪いですが、その後味の悪さがある種のカタルシスをもたらす構成も見事だったし、それを支えるキャスト陣の熱演・好演も素晴らしかったですねー。

主演の菅田将暉の天才で理想家の若者という役どころに対する、舘ひろし橋爪功國村隼らが演じる軍上層部のガハハオヤジ感というか「あー、そりゃぁ戦争も負けるわな」という絶望感はそのまま硬直した現代社会や組織への痛烈な批判にもなっていたと思うし、田中泯の狂気を含む底知れない恐ろしさは、そんな本作を確実に底上げしていたと思います。

櫂の相棒・田中を演じた柄本佑の持つ仄かなボンクラ感と若者らしい熱を両立した演技も良かったですしね。

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まぁ、とは言え、シーンによっては考えをセリフで言わせちゃったり、あまつさえ心の声まで入れちゃったり、櫂の脳内の計算式を映像で浮き上がらせるなど、垢抜けない演出もあったりするんですが、本作に限ってはさほど気にならなかったし、全体的に観れば、山崎貴作品の中でも郡を抜いた傑作と言えるんじゃないでしょうか。

ラストカットの切れ味も素晴らしかったですしねー。

興味のある方は是非!!

 

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台風の中で大暴れ!「ワイルド・ストーム」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、あの2001年に公開されその後大ヒットシリーズになる「ワイルド・スピード」の監督、ロブ・コーエン監督のアクション映画『ワイルド・ストーム』ですよー!

ちなみに、原題は「The Hurricane Heist(台風強盗)」なんですが、「ワイルド・スピード」の監督作品だから邦題が「“ワイルド・ス”トーム」なんだって、感想を書いてる今、気づきましたよw

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概要

巨大なハリケーンが猛威を振るう中で起きる6億ドル強奪劇を描いたディザスタークライムアクション。武装集団に立ち向かう気象学者を、『猿の惑星』シリーズなどのトビー・ケベルが演じるほか、『96時間』シリーズなどのマギー・グレイス、『ウィッチ』などのラルフ・アイネソン、ドラマシリーズ「トゥルーブラッド」などのライアン・クワンテンらが共演。『トリプルX』などのロブ・コーエンがメガホンを取った。(シネマトゥデイより引用)

感想

ジャンル・ミックス

ハリウッドでは、異なるジャンルを組み合わせて1本の作品にする「ジャンル・ミックス」という流れがあります。

例えばゾンビxミュージカルとか、飛行機パニックxヘビとか、西部劇xSFとか。
特に「サメ映画」はジャンル・ミックスの代表選手で、サメxゾンビやサメx台風などなど、枚挙に暇がありません。

しかしまぁ、僕が知る限り、この「ジャンル・ミックス」って、下手するとどっちつかずの中途半端な作品になりがちというデメリットも。

本作は自然災害パニック映画とクライムアクション映画を掛け合わせた作品なんですが、いいとこ取りを狙って2つのジャンルを合体させた結果、どちらも中途半端になってしまったという印象でしたねー。

ざっくりストーリー紹介

物語は1992年、3人の親子がトラックでハリケーンから逃げているところからスタート。
ところが、パパがよそ見運転をしてトラックが岩に乗り上げて動かなくなっちゃいます。

そこで、まだ幼い息子2人を近くの建物に避難させて、パパはウィンチを使ってトラックを動かそうとするんですが、運悪く風で飛ばされたサイロ?に当たって死んでしまうんですね。

20年後、ハリケーン観測専用車「ドミネーター」に乗っている青年ウィル(トビー・ケベル)は、町にかつてない規模の巨大ハリケーンが迫っていることを予測。
避難を促すため兄ブリーズ(ライアン・クワンテン)がこの町で営む機械修理工場に向かいます。

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もちろん、この2人は冒頭の兄弟。ウィルはブリーズに避難をするよう言いますが、ブリーズの方はノリ気ではない様子なんですね。

一方、町の警察は一人の被害者も出さないため、全住民に強制避難を命令。

しかし、車がすれ違えないほど細い道は大渋滞を起こしていて、その理由は財務省管轄の紙幣廃棄工場に廃棄紙幣回収のため向かう巨大トラックが道路を塞いでしまいにらめっこ状態なのです。

そんな状況に業を煮やした財務省職員のケーシーマギー・グレイス)は、対向車にトラックをぶつけて隙間を作ると、横の原っぱを走って廃棄工場に向かうんですね。

ところが、廃棄工場ではシュレッダーと電気システム系統故障していて、ケーシーはブリーズに修理を依頼するため工場へ向かうんですが、その間に、廃棄工場は強盗グループに乗っ取られてしまい――という物語。

つまり、強盗の狙いは巨大ハリケーンの混乱に乗じて、6億ドルの古紙幣を奪うことで、その後、巨大台風が迫る町で、3人と強盗グループの戦いが始まるというわけです。

ちょっと面白そうでしょ? まぁ実際結構面白いんですよ。

ただ、ハリケーン設定はいるかなー?と。

というのも、本作では冒頭で町中の住民が避難しちゃってるので、町にいるのは犯行グループと、工場の人質(というか閉じ込められてるんだけど)と、主役の3人だけ。

しかも、犯行グループに人質されている工場の警備兵や職員は、頑丈な工場で守られているので、ハリケーンの被害は(多分)心配ない。
つまり、登場人数(被害者)があまりにも少なすぎて災害パニックものとして成立してないわけです。

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つまり、本作のメインは強盗vs主人公3人の対決で、ハリケーンは映画を面白くする要素でしかないんですね。

ただ、ハリケーン要素を入れるため、強盗計画にも結構無理や矛盾が生じてたり、そもそもハリケーンを計画に組み込んでも、進路が逸れたり、ハリケーンの規模が全然小さかったりしたら計画自体が成り立たないのでは?っていう根本的な疑問が観てる間中、頭を離れないっていう。

あとはまぁ、犯人グループが警備兵や職員をわざわざ麻酔銃で眠らせて、工場に監禁する(生かしておく)意味もイマイチ飲み込みづらいし(一応、主犯がケーシーの同僚という設定はあるけど)、冒頭が説明不足で、トラックが古紙幣を工場に運んできてるように見えるので「え、工場襲撃するよりトラック襲撃する方が簡単じゃね?」と思ったり。

全体的に劇中のルール説明が足りてなかったり、物語の前後でキャラがブレていたりするので、何度か「え?え?」ってなるシーンがあったように思います。(僕の読解力が足りないだけかもですが)

でも嫌いになれない

まぁ、そうは言っても個人的に本作が嫌いになれないのは、巨大台風を利用したアクションシーンがツボだったからで、特に、ウィルがハリケーンの風を利用して、アルミのタイヤカバーで敵を殺害するシーンや、ショッピングモールの天窓を破壊し、気圧差で敵が天井の穴から吸い出されてしまうシーンとか(ウィルとケーシーはワイヤーで体を繋いでいるので飛ばされなかった)は、「そんなアホな」って笑っちゃうけど、中々斬新で面白かったですよ。

つまり、本作は最初から「ジャンル・ミックス」ではなくて、巨大ハリケーンの中でのアクション映画だったんですよねーw

興味のある方は是非!!

 

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エルトン・ジョンの自伝的ミュージカル映画「ロケットマン」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「僕の歌は君の歌」などの名曲で知られるエルトン・ジョンの半生を、まさかのミュージカルで描いた『ロケットマン』ですよー!

個人的にエルトン・ジョンに特別な思い入れがなかったので、公開時はうっかりスルーしちゃいましたが、こうして観たら、エルトン・ジョンが大好きになっちゃいましたよー!

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概要

「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」などで知られるミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記ドラマ。主演は『キングスマン』シリーズなどのタロン・エジャトン、共演に『リヴァプール、最後の恋』などのジェイミー・ベル、『ジュラシック・ワールド』シリーズなどのブライス・ダラス・ハワードらが名を連ねる。『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督とエルトン・ジョン自身が製作を務め、『サンシャイン/歌声が響く街』などのデクスター・フレッチャーがメガホンを取った。(シネマトゥデイより引用)

感想

エルトン・ジョンについて

前述したように、僕はエルトン・ジョンって特別な思い入れがなくて、そりゃあ流石に「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」くらいは知ってるし好きな曲だけど、他の曲は耳馴染みはあってもタイトルやエルトンが歌ってた事も知らない程度。(まぁ、それを言うなら「クイーン」も似たようなものでしたけど)

なので僕にとってのエルトン・ジョンは、「キングスマン:ゴールデンサークル」に自分役で出演した、ヘンテコな衣装の“ハイテンション面白おじさん”なんですよね。

なので伝記映画が公開されると聞いても「どうせ『ボヘミアン』の二番煎じでしょ」と思ってうっかりスルーしちゃったわけですよ。

ところが今回、実際に観ると、そんなエルトン・ジョンの印象がガラリと変わる良作だったんですよねー。

監督は「ボヘミアン~」のデクスター・フレッチャ

そんな本作でメガホンを取るのは、イギリス人監督のデクスター・フレッチャー。
作品完成前にブッチして逃げたブライアン・シンガーに代わり、「ボヘミアン~」を完成させたことでお馴染みです。

さらに制作には、「キングスマン」のマシュー・ヴォーン、エルトン・ジョン本人も加わり、エルトン役は「キングスマン」の主役エグジーを演じたタロン・エガートンが演じているんですね。
( ゚д゚)ハッ!「~ゴールデンサークル」はこの為の伏線だったのか!

また、「ボヘミアン~」の ラミ・マレックと違って、本作ではタロン・エガートンが曲も歌っています。

まさかのミュージカル

そんな本作、いわゆる有名ミュージシャンの伝記映画かと思いきや、まさかのミュージカル
劇中のシチュエーションに合わせたエルトンのヒット曲を、タロンを始めとしたキャストたちが歌い踊るんですねー。

また、“伝記映画”というより“自伝映画”と言ったほうがしっくりくる内容で、つまり第三者の目から見た「客観的なストーリー」ではなく、エルトン本人の「主観的な視点と回想」で物語が組み立てられているのです。

ストーリーはド派手な衣装を着たエルトンが薄暗い廊下を進むところからスタート。
なるほど、エルトン・ジョンのライブシーンから物語を始めるのか」と思ったら、彼が入ったのはアルコール依存症のグループセラピー私設なんですね。

参加者が円状に置かれた椅子に座って過去を語る、ハリウッド映画でよく見るアレです。

空いた椅子に座って、自身の過去を語り始めるエルトンですが、ここで最初のミュージカルシーンが始まります。

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部屋に、三輪車に乗った幼少期、まだ本名のレジナルド・ケネス・ドワイトだった頃の彼が入ってきたと思ったら、ドアに向かって走り出す。それを追いかけるエルトン。
そして幼少期の彼がドアを開け放つと、そこはエルトンが生まれ育った町で、レジー少年が町の人たちのダンスをバックに「あばずれさんのお帰り」を熱唱。

しかし、そんなご機嫌なレジー少年を叱る母親(ブライス・ダラス・ハワード)の声で、最初のミュージカルシーンは終了するのです。

その後、軍人の父親(スティーヴン・マッキントッシュ)がまったくレジーに興味を示さない事や、母親と不仲であること、母親の浮気が原因で両親が離婚したことなどが 「アイ・ウォント・ラヴ」に乗せたミュージカルシーンで提示されていくんですね。

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一方で天才的なピアノの才能があることが分かったレジーは、11歳で王立音楽院に合格。先生を驚かせます。

成長してから、アメリカのソウルグループのバックバンドになった彼は自分がゲイであることに目覚め、黒人ミュージシャンからのアドバイスもあってエルトン・ジョンの芸名でレコード会社に売り込みに。

しかし、作曲には天才的な才能を発揮するも、歌詞が苦手なエルトン。
そんな彼が出会うのが、長年に渡ってエルトンの歌の作詞を担当するパートナー・バーニー・トーピンジェイミー・ベル)なのです。

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二人はすぐに意気投合、エルトンはバーニーに恋心を抱くも、やんわり断られてからは仕事のパートナーであり“兄弟”として付き合うことに。

で、ここからエルトンの地獄が始まるんですねー。
なんせ、自分をフッた男とずっと一緒で、しかも目の前で女の子とイチャコラするのを、黙って見てなきゃいけないんですからね。

そんな寂しさを埋めるように、彼はマネージャーリチャード・マッデン)と付き合うようになるも、コイツの目当てはミュージシャンとしてのエルトンとお金で、エルトン本人を愛してるわけではないのです。

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大スターになって、豪邸もお金も余る程手に入れるエルトンですが、一番欲しい「」だけは手に入らないんですね。

やがて、酒と薬に溺れ、自殺未遂や心臓発作で入院するなど、心身共にボロボロになっていくエルトンは、彼を心配するバーニーにすら辛く当たるようになり――というのが本作の物語。

こうして字面にするとかなり辛く重たい内容ですが、ミュージカルにすることでエルトンの辛い心情も音楽と歌やダンスで見せてくれるので「あー、もう観てられない!!」とはなりませんでした。

タロン・エガートンの名演

そんなエルトン・ジョンを演じたタロン・エガートンは、エルトンの年齢に合わせて前髪を剃り上げ、薄毛のウィッグを装着したり、(多分)多少の老けメイクや体重の増減もしたり、あとは、マネージャー役のリチャード・マッデンとのキスシーンやベットシーンも体当たりで演じています。

そして「ボヘミアン~」でフレディーを演じたラミ・マレックの場合、歌のシーンはフレディ本人の歌声を加工したものや、そっくりな歌声のシンガーが歌ったナンバーを使ったそうですが、本作では、主演のタロン・エガートン自身がエルトン・ジョンとしてヒットナンバーも歌っているんですね。

舞台演劇などではミュージカルなども経験、歌の上手さは知られていた(らしい)彼ですが、流石にエルトン・ジョンの曲を本人役で歌うとのは相当なプレッシャーだったのだとか。そりゃそうだ。

エルトンとタロン、もちろん声の質などは全然違うし、本作の場合“ミュージカルの歌い方”なんですけど、そんな事は全然気にならないくらいタロンはビックリするくらい歌が上手かったし、声も素晴らしかったですねー。

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そして、一見エキセントリックでぶっ飛んだ人に見えるエルトン・ジョンの、内気で繊細な内面までを見事に演じていました。

エルトンがステージ上でど派手で奇抜で、ある意味滑稽な衣装を身に付けるのは、単なる趣味というワケではなくて、レジーからエルトン・ジョンに変身するためのヒーロースーツであり、彼の中の小さなレジーを守るための鎧でもあったんですねー。

ボヘミアン~」のフレディは、本当の自分になるために、あのハードゲイ的なステージ衣装に変わっていくのと、本作のエルトン(のステージ衣装)は真逆なんですよね。

だから、最初はド派手な衣装姿でセラピー室に入ってきたエルトンは、物語が進むうちにどんどん素の格好に戻っていくわけです。

面白おじさんとか言って、ゴメンよエルトン。

そういう意味では、個人的に「ボヘミアン~」のフレディよりも、本作のエルトンの方が(自分に近い分)より感情移入出来たし、これまでそんなに思い入れのなかった彼の曲も好きになりましたよ。

興味のある方は是非!!

 

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フリードキンの最高傑作「恐怖の報酬/オリジナル完全版」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「フレンチ・コネクション」や「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン監督作『恐怖の報酬/オリジナル完全版』ですよー!

この作品、以前から評判は聞こえていて、いつか観ようと思いながらもつい延ばし延ばしになっちゃってたんですが、今回意を決してレンタルしてきました。

うん噂通り――いや、噂以上の超ヤバイ映画でしたねー!

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概要

エクソシスト』などのウィリアム・フリードキンが、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーが監督を務めたサスペンスをリメイクした作品の完全版。ニトログリセリンを積んだトラックに乗る男たちに待ち受ける運命を映す。出演は『JAWS/ジョーズ』シリーズなどのロイ・シャイダー、「新・メグレ警視」シリーズなどのブルーノ・クレメル、『無垢なる聖者』などのフランシスコ・ラバル、『愛と死と』などのアミドウら。初公開時にカットされたおよそ30分のシーンが追加されている。(シネマトゥデイより引用)

感想

完成から“公開”まで40年、ついに日の目を見た伝説の映画

「恐怖の報酬(原題:Sorcerer)」は、ジョルジュ・アルノー原作&アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督で1953年に公開された同名フランス映画(原題:Le Salaire de la peur)に大きな影響を受けたウィリアム・フリードキンが、3大陸5カ国でのロケを敢行、制作費に約100億円、完成までに2年もの歳月をかけた超大作でした。

ところが、同じ年に公開されたジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」が一大旋風を巻き起こしたことでファンを含めた映画界の潮目が一気に変わってしまいます。

南米のアマゾンを舞台に血まみれのオッサンしか出てこないハード&バイオレンスで暗い内容の77年版「恐怖の報酬」は観客に敬遠され、批評家はクルーゾーのオリジナル版との違いを指摘し批判。

結果、77年版「恐怖の報酬」は興業的に大惨敗を喫し、そのため同作を海外で上映する際に、配給会社はフリードキンに無断で再編集を行い、121分の北米公開版から30分削って92分にまで縮め、タイトルも「Sorcerer(魔術師・運命を引き寄せるもの)」から「Wages of Fear(恐怖の報酬)」に改題されてしまいます。その後、作品はソフト化と絶版を繰り返し、権利関係の問題もあって日本では長らく完全版を見ること出来なかったんですね。

しかし2012年にそんな状況が覆されます。
複雑な権利関係が災いし長く封印されていた同作を蘇らせるべく、フリードキンは配給会社相手に訴訟を起こし、権利先のワーナーにレストアの費用を出すことをOKさせ、そして4Kデジタルリマスターでオリジナル完全版を製作、2013年のヴェネチア国際映画祭でのプレミア上映の大成功を皮切りに、各国で公開された本作『恐怖の報酬/オリジナル完全版』は、日本でも78年公開から40年を経て公開され、多くの映画ファンを驚かせたのです。

ちなみに僕は恥ずかしながら77年版もクルーゾー版も未見でして、なので本作が「恐怖の報酬」初体験となったわけですが、むしろ大人になった今、余計な予備知識なしにこの作品と出会えたのはラッキーだったって思いましたねー。

いや、マジ凄かったですわ。(←語彙力よ

ざっくりストーリー紹介

本作の内容を一言で言うと「食い詰めた犯罪者4人が、高額な報酬のためトラックでニトログリセリンを運ぶ。(しかもジャングルで)」という物語。

そして、ハリウッド映画の3幕構成ではなく、前半と後半の二部構成で描かれていて、前半は、主要人物4人のバックストーリーを約1時間かけてじっくり描いていきます。

ナチス残党狩りの殺し屋ニーロ(フランシスコ・ラバル)の殺しのシーンからスタートし、パレスチナ過激派グループの爆弾犯で、駆けつけた当局に仲間が撃ち殺されるも1人だけ逃げ延びたカッセム(アミドウ)。

不正融資で多額の焦げ付きを作り、パートナーの義弟を自殺に追い込んでしまい逃亡した元銀行家セラーノブリュノ・クレメール)。

そして、教会主催のビンゴ大会の売り上げを狙い強盗に入ったアイリッシュマフィアの一員で、逃亡中の仲間割れで大事故を起こすも一人生き残ったドミンゲスロイ・シャイダー)。しかし教会を襲った際に仲間が撃った男がマフィア幹部の弟だったため裏組織から追われ国外逃亡。

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そんなニーロを除く逃亡者3人が辿り着いたのは南米ポルベニール
ここはある種の独裁政権で、国を牛耳っている支配者を油田の利権絡みで米国が支援している模様。そのため住人たちは搾取され貧困に喘いでいるのです。

そしてここからが後半。

そんなある日、反米ゲリラが油田を爆破。
燃え上がる炎を消すためには、爆薬の爆風しかない。
ところが、すっかり古くなったダイナマイトは火薬とニトロが分離。
少しの衝撃でも爆発してしまうため、ダイナマイトの入った箱を運ぶことはほぼ自殺行為です。

そこで、この精油会社はトラック2台を使って陸路でニトロを運ぶことにし、そのトラックの運転手4人を募集。

国外へ逃げ出したいがその資金もないカッセム、セラーノ、ドミンゲスの3人は運転手に選ばれ、そこに数日前この町にやってきたニーロも合流。2人ひと組でそれぞれの(ニトロを積んだ)トラックに乗り込むと、ジャングルの道なき道を走ることに――というストーリー。

前半で4人のバックグラウンドは語られているので、この後半はいつ爆発するか分からないトラックで、数々の難所を走るという緊張感を存分に味わえます。

車幅ギリギリの断崖絶壁や、豪雨のあとの泥道、そしてポスターにもなっている吊り橋などなど、これでもかと4人に襲いかかる困難と緊張の連続に、観ながらずっと身体が強張りっぱなしで、観終わる頃にはすっかり肩が凝ってしまいましたよw

本物にしか出せない迫力

そんな本作、爆発シーンもカーチェイスからのクラッシュシーンも、ジャングルや南米の村、悪路やトラックも全部本物です。
 まぁ、もちろん撮影時は、現地やスタジオにセットを組んでいるシーンもあるでしょうが、77年の作品なのでCGなんて当然ありませんしね。

個人的にはCGをガンガン使ったど派手な映画も大好きですけど、こういう映画を観てしまうと本物でないと出せない迫力があるんだよなーって思い知らされます。

それは例えば、南米の高温多湿な気候や暑さ、なんなら匂いまで感じる映像、トラックが道幅ギリギリの断崖絶壁や凸凹な泥道をうねる様に進む緊張感、爆発シーンやカークラッシュの質量を伴った迫力など。

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特に、観た人なら誰もが口にする、豪雨の中トラックで吊り橋を渡るシーンは、作中で印象的に登場するインカの神?のレリーフに似せてフロントが作られていることも相まって、吊り橋に揺られるトラックが、まるで意思を持って動く怪獣みたいに見えるんですよ。

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聞くところによると、この橋の建設には300万ドルが費やされ、トラックは撮影中に計5回も川に転落したらしく、フリードキンは撮影中何度も「この映画は呪われている!」と絶望したんだとか。

しかし、そんな苦労の甲斐あって、この吊り橋のシーンは映画史に残る大迫力の名シーンになったんだと思います。

ドキュメンタリーのようなリアリズム

そんな迫力のある映像に注目が行きがちな本作ですが、主要人物4人を始めとした登場人物のリアルなドラマパートも素晴らしいです。

本作の制作にあたり、フリードキンはまず脚本にウォロン・グリーンを招いています。
彼はペキンパーの傑作「ワイルド・バンチ」(69)の脚本に携わった経験を持つ大物で、監督を務めた疑似ドキュメンタリー「大自然の闘争/驚異の昆虫世界」(71)ではアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得。

二人は極限までセリフをそぎ落とし、映像によって物語を紡ぐ方針を固めます。
結果、セリフをほとんど排すことで迫真性を増し、まるでドキュメンタリーのような生々しさを演出、また後半、南米のジャングルに囲われた村や住人もリアルにこだわる事で、観客は劇中の4人と同じように、実在する村に迷い込んだような気持ちになるんですね。

そして本作のタイトルでもある「恐怖の“報酬”」の意味も、この前半部分を観ればそれが単にお金以上の意味を持つ事が分かると思います。

前半でたっぷり描かれる4人の背景で、彼らに戻る場所がない事を示し、村のシーンでは彼らがこの村に辟易し、ここではない何処かで人生をやり直したい事が分かる。
ニトロを運ぶ“報酬”は新たな人生の切符であり、だから命をかけて苦難に挑むし、途中で止めるという選択肢はないんですね。

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フリードキン監督自らが認める最高傑作でありながら、時代の流れや数々の不運によって長年不当な評価を受けてきた本作ですが、40年経ってやっと時代が本作に追いついた傑作なのではないかと、そんな風に思いましたねー。

興味のある方は是非!!!

 

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