今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

マーティン・マクドナー監督のノワールコメディー「セブン・サイコパス」(2013)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督2012年の作品『セブン・サイコパス』ですよー!

スリー・ビルボード」が気に入ったのでマクドナー監督の過去作品を遡って観てみようと思って、TSUTAYAでレンタルしてきましたー。(´∀`)ノ

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概要

ヒットマンズ・レクイエム』で高い評価を受けたマーティン・マクドナー監督が、コリン・ファレルと再びタッグを組んだクライムコメディー。スランプ中の脚本家が、自分を助けようと奔走する役者によってトラブルに巻き込まれるさまを、ブラックユーモアと共に描く。共演にはベテランのクリストファー・ウォーケン、『月に囚われた男』などのサム・ロックウェル、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソンら豪華キャストがそろう。(シネマトゥディより引用)

感想

タランティーノコーエン兄弟÷2みたいな映画

本作の主人公は、絶賛スランプ中の脚本家マーティ(コリン・ファレル)。

「7人の〇〇」(侍とか荒野のとか)的な感じでサイコパスが7人集まったら面白くね? という思いつきで「セブン・サイコパス」というタイトルだけは決めたものの、中身はまったく浮かばない状態です。

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そんなマーティの友人で売れない役者のビリー(サム・ロックウェル)は、ガンを患って入院中の奥さんを持つ老人ハンス(クリストファー・ウォーケン)と組んで、飼い犬を誘拐し、飼い主が迷い犬の張り紙を出すと拾った振りをして返しに行き謝礼を貰う詐欺で生計を立ててるんですね。

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ところがある日、ビリーがギャングのボス チャーリー(ウディ・ハレルソン)の愛犬のシーズーを誘拐してしまった事で、無関係のマーティーも巻き込んで血で血を洗う大騒動に発展していき……。という物語です。

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全体の雰囲気は初期タランティーノっぽいんですが、ギャグやセリフまわしなんかはどちらかといえばコーエン兄弟のコメディーっぽい感じがしましたねー。

無駄に人がバンバン死ぬし流血やグロシーンや銃撃戦も満載で、個人的には楽しめたんですけど、物語の展開上どうしてもタランティーノと比べてしまうし、そうすると「あまり上手くいってないなー」って思ってしまうんですね。

タランティーノがそうであるように、マーティン・マクドナー監督も脚本家出身のシネフィルで、そんな監督自身が乗っかっているマーティも劇中で北野武監督の「その男、凶暴につき」を観ていたり、セリフの端々に映画ネタをぶっ込んできたりするし、現実と非現実が入り混じって描かれるところは、フェリーニの「8 1/2」っぽいらしい? です。(僕は「8 1/2」は観てないので分かりませんが)

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登場する7人のサイコパスのエピソードはそれぞれ魅力的で面白いし、メインのストーリーとエピソードが折り重なるオムニバス的な展開も個人的に大好物。

やりすぎグロシーンもぶっとびキャラクターも、マーティの頭の中を映像化しているという体で何となく物語として説明をつけていて「そんなアホな」とならないバランスにしています。

、そこに説明をつけてバランスを取ろうとしているところが、本作がクライム・コメディーとして振り切れてない原因なのかな? なんて思ったりするんですよね。

こっちは「そんなアホな」とゲラゲラ笑いたいのに、登場キャラの方が先にツッコミを入れるのでちょっと冷めちゃうし、物語的にも加速してきたと思ったらブレーキを踏まれるみたいな、ほんのりモヤっとした気分になるんですね。

クラスのバカが全力でバカやってるんじゃなく、優等生が照れながらバカを演じてるみたいな感じというか。

スリー・ビルボード」とも通じるテーマ

本作でクリストファー・ウォーケン演じるハンスは、キリスト教の一派で平和主義で非暴力を提唱するクエーカー教徒ですが、教義に反しないように“ある方法”で復讐を果たし、劇中登場するアメリカへの復讐に燃えるベトナム人僧侶は、最終的に実在の人物ティック・クアン・ドックに繋がったりします。

そんな本作で語られるテーマは、(僕が観た中で言うと)「スリー・ビルボード」や短編映画「Six Shooter」と共通していて、一言で言うと「贖罪と救い」だと思うんですよね。

 

監督自身も本作はあまり上手く行かなかったと話してるらしいし、観る人を選ぶというか、好き嫌いの分かれる作品だと思いますが、個人的には多少物足りなさは感じたものの面白かったしオチも好みでしたよ。

興味のある方は是非!

 

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キングのライフワーク的長編小説の映画化「ダーク・タワー」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、米ホラー小説の大御所スティーブン・キングが、30年以上かけて完成させたライフワーク的長編小説の映画化作品『ダーク・タワー』ですよー!

僕はキング原作だと知らずに本作を観たんですが、中二感満載なダークファンタジーって感じでしたねー。

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概要

ホラー小説の大家スティーヴン・キングによるダークファンタジーを映画化。一人の少年が夢に導かれて入り込んだ世界で、世界の支柱とされる“タワー”をめぐって銃使いと世界の崩壊を画策する黒衣の男が死闘を繰り広げる。『マンデラ 自由への長い道』などのイドリス・エルバと、『ダラス・バイヤーズクラブ』などのマシュー・マコノヒーが共演。メガホンを取ったのは『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』などのニコライ・アーセル。(シネマトゥディより引用)

感想

「キング・ユニバース」の映画化作品

原作は、米ホラー小説の大御所として知られるスティーブン・キングが、1970年から断続的に書き進め30年以上かけて完成させた同名大長編ダークファンタジー小説

世界観をざっくり説明すると、いくつもの平行(多重)世界を支える支柱である“タワー”を守るガンスリンガー( ローランド/イドリス・エルバ)と、タワーを破壊し“世界”を滅ぼそうとする黒衣の男( ウォルター / マシュー・マコノヒー)の戦いを描いた物語。

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全7章になる大長編なんですが、もう一つ大きな特徴として物語的に他のキング作品とリンクしている、いわば「キング・ユニバース」的な作品ということらしいんですね。

その辺、映画の中ではハッキリとは語られませんが劇中に映画にもなった“あの”作品の登場人物の名前が出てきたり、(僕は気づかなかったけど)他にも原作ファンの人ならニヤリとするシーンがあるんじゃないかと思います。

 

中二感溢れるストーリー

消防士の父親を父親を亡くして以来、悪夢を見るようになった少年ジェイク(トム・テイラー)。

荒野の世界、“世界”を支える支柱であるタワー、子供たちが持つ“輝き”をエネルギーにした大砲?でタワーを攻撃する黒衣の男率いる顔に継ぎ目のある軍団と対抗するガンスリンガー

母親や継父は、そんなジェイクの夢を父親が亡くなった事による精神的ショックが見せる悪夢と考えますが、ジェイクは自分の見る光景が夢ではない事を確信しているし、タワーを攻撃されるたびに彼の住むニューヨークでも不気味な地震が起こるんですね。

そして、魔の手を伸ばす黒衣の男から逃げたジェイクは、「中間世界」(荒野の世界)で最後のガンスリンガーと出会い……という物語。

*ちなみに平行世界への移動は「ポータル」というワープマシンで空間を繋げて移動します。

その後、色々あって二人はバディとして平行世界を行き来しながら黒衣の男と戦うという中二感溢れる内容なんですね。

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ただ、原作は読んでないので分かりませんが、7章にも及ぶ原作の世界観を映像化するのに95分はさすがに短すぎるし、だから本作をジェイクとガンスリンガーの物語に集約しようとしたのは分かるけど、諸々あっさりし過ぎてて印象に残らないんですよね。

おそらく、本作が当たれば続編を作る予定だったんだと思うけど、原作ファンにとっては物足りなく、(僕も含めた)原作を知らない人にとっては説明不足というか、黒衣の男の能力はチートすぎに見えるし、セリフでサクッと説明されるガンスリンガーの持つ銃の由来や世界観も唐突すぎて物語にライド出来ないのではないかと思いました。

イドリス・エルバのガンアクション…というか、古いリボルバー銃に高速で弾丸を装填するシーンや、超人的な聴覚で敵を捉え跳弾を計算して撃つシーンは、小学生の考えたガンマンみたいで思わず笑っちゃうけど、それでも小五脳の僕的にはかなり燃えるシーンでしたしねー。

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それに、黒衣の男を演じたマシュー・マコノヒーの冷酷な悪役っぷりも良かったし、ジェイクとガンスリンガーのバディ感も決して悪くないんです。

なのに、観終わったあとに物足りなさを感じるのは時間の短さだけではなく、多分、表面だけをさらっていて、原作シリーズ全体の奥行を感じさせるところまで脚本を掘り下げていないからじゃないかと思うんですよね。

このシリーズは今後テレビシリーズとして放映される予定らしいので、もしかしたら本作はその宣伝も兼ねた顔見せ的な位置づけだったのかもしれませんね。

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やりたいことは分かるけど…「悪女/AKUJO」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、YouTubeにアップされたトンネルでのバイクチェイスシーンが「どうやって撮っているの!?」と話題になった韓国映画悪女/AKUJO』ですよー!

僕も、YouTubeで観たバイクチェイスのシーンを観て、楽しみにしていた作品なんですよねー。

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概要

『殺人の告白』のチョン・ビョンギルが監督を務め、『渇き』などのキム・オクビンをヒロインに迎えたスタイリッシュアクション。主人公の殺し屋が亡き夫のリベンジを果たし、やがて国家の暗殺者となる姿を華麗なアクションと共に映し出す。『高地戦』などのシン・ハギュンや『私は公務員だ』などのソンジュンらが共演。日本刀や自動小銃などを駆使したアクションシーンを、キム・オクビンがほぼ自分で演じ切った。(シネマトゥディより引用)

感想

アクションシーンは確かに凄い……けど。

本作の監督を務めるのは「殺人の告白」のチョン・ビョンギル
スタントマン出身の監督ということで、本作でも激しい格闘&ガンアクションや車やバイクでのチェイスシーンが満載だし、階段の高低差や、部屋から部屋へ移動しながら、高速で走るバスの中での格闘シーンや、ビルのエアコン室外機の上でのアクションなど、様々なシチュエーションやバリエーションのアクションシーンが満載。

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YouTubeの予告でも出ていた、狭いトンネルの中をバイクでチェイスしながらの日本刀アクションもあって、確かに凄い……とは思うんですが…。うん、何て言うか、

一言で言うとカメラワークがウザイ

いきなり冒頭、主人公の主観映像からスタートして、アクションシーンではとにかくカメラが動きまくーりの、グルグル回りーのと、視点がアチコチに動かされまくるので映像酔いするし、登場人物の位置関係も分からなくなっちゃうんですよね。

っていうか、本作の主役を務めたキム・オクビンは、ちゃんと動ける女優さんなのに(ほぼスタントなしで演じたのだとか)、主観映像とかもったいなくね? っていう。
主観映像にすることで、主人公を含めたキャストの動きが限定されるし、洋ゲーの映像っぽく見えちゃって、むしろ逆効果だなって思うんですよね。

もしかして「ハードコア」っぽいのがやりたかったのかな? とも思ったんですが、「ハードコア」ほどカメラワークやキャラの動きが上手くないので、なんかこうただ違和感しか感じないんですよね。

そのあとも、カメラが動きすぎ、カット割りすぎに気が散って、(YouTubeで観たメイキングではかなり凄いことやってるのに)せっかくのアクションやチェイスシーンにぜんぜん集中出来ないんですよ。

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観ていて、やりたいことは大体察しがつくんですが、全体的に上手くいってないというか、意気込みが空回りしている印象でした。

鈍重なストーリー

 ちなみに本作は、

「何者か」に父親を殺された主人公スクヒ(キム・オクビン)が、育ての親ジュンサン(シン・ハギュン)のもとで犯罪グループの殺し屋として成長。

 やがてジュンサンとスクヒは結婚するも、新婚旅行先でジュンサンを殺されたスクヒは復讐のため敵対組織のアジトに乗り込み皆殺しに。

しかし、駆けつけた警察に逮捕された彼女は、国家組織に身柄を拘束され、10年後の自由と引き換えに国家専属の暗殺者となる。

というストーリー。

とまぁ筋だけ追っていけば割とよくある物語を、時系列を入れ替えて見せることで、徐々に全体像が分かるようになるという構成なんですが……。

正直、この構成もあまり上手くいってるとは言い難いんですよね。

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しかも、その合間にスクヒと彼女を見張る国家職員のヒョンス(ソンジュン)とのメロドラマがストーリーのかなりの部分を占めていて、ぶっちゃけストーリーが中弛みしてるし、

父親の復讐(謎解き)

国家組織で暗殺者になる

ヒョンスとのラブストーリー

の3つの軸が同時進行で、しかも時系列を入れ替えながら回想シーンもゴチャゴチャ入ってくるので観ていてちょっと混乱するんですよね。

っていうか、犯罪グループの暗殺者として育てられたスクヒが、国家組織でもう一回暗殺者としての訓練を受ける展開がまどろっこしいし、物語的にも鈍重に感じてしまうのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / こんな受け方したら、腕折れるよね…。

さらにさらにスクヒのお腹にはジュンサンとの子供がいて云々――とか、色々盛り込みすぎな割に、それぞれのエピソードがバラバラで一本の映画として上手くリンクしていないんですよ。

やりたい事は分かるけど、いっそ殺された父親の復讐にエピソードを絞って、もっとシンプルな物語にした方が良かったんじゃないかなーって思いました。

あとですね、この映画の中で犯罪組織と国家組織で2回も訓練を受けて一応凄腕暗殺者っていう設定の割に、スクヒは劇中全ての任務に失敗するんですよ。
お前いくらなんでも失敗しすぎじゃね? っていう。

国家組織的には、元々犯罪者のスクヒは使い捨ての駒っていう設定だと思うんですが、そんなに何度も失敗する使えない駒は普通、組織に見捨てられるか消されるでしょって思うし、そもそも国家組織が犯罪者の女を何人も訓練して暗殺者にする目的もボンヤリしてるし。コストを考えたら、普通に軍隊とかからスカウトしたエージェントを育ててチームで作戦を行使するほうが明らかに安上がりで安全だと思うんですけどねー。

いや、国が暗殺に関わってるってバレたらまずいから犯罪者を使うっていう設定なのは分かりますよ?
でも、そいつらをずっと監視したりフォローする労力と得られる結果が明らかに見合ってないし、組織のあり方として諸々ユルすぎてノイズになっちゃうんですよね。

結局のところ、設定も物語もアクションも、細部の作り込みが雑(というかそもそも興味がない?)すぎるくせに無駄にケレン味だけたっぷりな、ダメな深夜アニメみたいでした。

あれ? 今回悪口しか書いてないな。
うーんと、スクヒを慕う同じ組織の女の子は、個人的に好みでしたよ。
まぁ、すぐ死んじゃうけど。

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宇宙人美少女とボンクラ少年のボーイ・ミーツ・ガール!「パーティで女の子に話しかけるには」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」で鮮烈なデビューを飾ったジョン・キャメロン・ミッチェル監督が描く異色のボーイ・ミーツ・ガール映画『パーティで女の子に話しかけるには』ですよー!

イギリスの作家ニール・ゲイマンが発表した短編集の一篇を膨らませた、ヘンテコだけど普遍的でぶっ飛んだ作品でしたよー!

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概要

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』などのジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、ニール・ゲイマンの短編小説を映画化したラブストーリー。1977年のロンドン郊外を舞台に、内気なパンク少年と遠い惑星からやって来た少女の交流を描く。美少女の異星人を『SUPER 8/スーパーエイト』などのエル・ファニング、彼女と恋に落ちる少年を第69回トニー賞で演劇主演男優賞を受賞したアレックス・シャープが演じるほか、オスカー女優のニコール・キッドマンらが共演。(シネマトゥディより引用)

感想

イギリス版の「かぐや姫」!?

本作のストーリーをざっくり説明すると、1977年のロンドン南部・クロイドンでパンクロックに傾倒するボンクラ少年のエン(アレックス・シャープ)が、悪友と紛れ込んだパーティーで出会った美少女ザン( エル・ファニング)との出会いと別れまでの2日間を描いたボーイ・ミーツ・ガールな物語です。

それだけならよくあるストーリーなんですが、本作が異色なのはザンの正体が反抗期の宇宙人だったということなんですねーw

ザンは、エンや彼が好きなパンクに興味を持ち、エンもザンに惹かれ、やがて二人は惹かれあうけれど……。という内容で、他のレビューでは「ロミオとジュリエット」や「ローマの休日」に例えていたけど、個人的には「竹取物語」や「雪女」など日本の民話を連想したりしました。

そもそも種族が違う二人は、言葉は通じるものの話は全然噛み合ってなくて、前半は「異文化すれ違いコメディー」的な感じで進むんですが、中盤でザンたちの種族に関する真相が勘違いからアメリカ人のロックシンガーとしてステージに上げられたザンと、エンの歌で語られるのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com  /  エンとザンの超アガるギグシーン

一番残酷で衝撃敵な事実を、本作で一番カタルシスであるギグのシーンと重ねる演出にはビックリすると同時に感心してしまいましたねー!

エル・ファニングの当たり役

そんな宇宙人のザンを演じる エル・ファニングは2歳8か月で子役デビューし、「マレフィセント」でオーロラ姫を、「ネオン・デーモン」で小悪魔的美少女モデルを演じていますが、個人的に本作のザン役は彼女の等身大の魅力が出ている当たり役って感じがしましたねー。

あと、本作では地元のパンクスたちを束ねる自称プロデューサーを、 ニコール・キッドマンが演じているんですが、恥ずかしながら僕は最初全然気付かなかったんですよね。

挫折と屈折を繰り返した彼女は、最初、何者でもない(=金にならない)エンをゴミの様に扱うし、山場の歌のシーンでは「私が彼女(ザン)を見つけたー!」と叫んだりする、まぁまぁダメな大人なんですけど、後半、ザンを救い出したいというエンの頼みを聞いて、パンクスたちを引き連れて宇宙人のアジトに乗り込む頼れる女ボスでした。

あと、エンの悪友ヴィク(エイブラハム・ルイス)とジョン (イーサン・ローレンス)の二人も、いい感じのボンクラっぷりでしたよーw

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヴィク・エン・ジョンのボンクラ三人組

少年の通過儀礼を描いた青春映画

本作は、パンクに憧れながらもその周りをウロウロしてるだけの、まだ何者でもない少年エンがザンと出会って恋をする通過儀礼を描いた作品です。
また、本作に登場する宇宙人のPT(ペアレント・ティーチャー=保護者)たちのある習慣が、今の社会や大人たちの暗喩になっているのは言うまでもありません。

そんなPTたち(大人)にエンたち(子供)が対抗する手段がパンクっていうのが痛快だし、デヴィッド・ボウイっぽい音楽も入っていて、THE・イギリス映画だなーと思いましたねー。

あと、宇宙人たちのパーティー? や、エンとザンが通じ合うシーンをCG的な演出はほぼ使わず、サイケデリックな衣装や髪型、前衛的な踊りや美術などで観せているのは、70年代~80年代の低予算インディー映画を思い出して、なんか懐かしい感じがしたし、近年だと吉田大八監督の「美しい星」に似てるって思いましたよ。

レビューを見るとわりと賛否が分かれている様ですが、エル・ファニングは可愛かったし、個人的には超面白かったお気に入りの作品です!

興味のある方は是非!

 

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罪と赦しの物語「スリー・ビルボード」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、第90回アカデミー賞で主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)と助演男優賞サム・ロックウェル)を受賞した『スリー・ビルボード』ですよー!

「罪と許し」というキリスト教的かつ普遍的なテーマを、ブラックユーモアと皮肉でコーティングした物語で、セリフや動きの一つ一つまで研ぎ澄まされた作品でしたねー。

で、今回出来るだけネタバレはしない予定ですが、この作品は余計な情報入れずに観たほうが絶対に楽しめると思うので、まだ観ていない人は、この感想の前にDVDをレンタルして本作を観ることを強くオススメしますよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

娘を殺害された母親が警察を批判する看板を設置したことから、予期せぬ事件が起こるクライムサスペンス。本作はベネチア国際映画祭脚本賞トロント国際映画祭で観客賞に輝いた。娘を失った母をオスカー女優のフランシス・マクドーマンドが演じ、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソン、『コンフェッション』などのサム・ロックウェルらが共演。ウディやサムも出演した『セブン・サイコパス』などのマーティン・マクドナーがメガホンを取る。(シネマトゥデイより引用)

感想

監督は演劇界の巨匠

本作の監督マーティン・マクドナーは、イギリス(アイルランド)人の劇作家・脚本家で、演劇界ではすでに巨匠的な人だそうです。
僕は恥ずかしながら、彼の名前も作品もまったく知らなかったんですが、2005年に始めての映画監督作となる短編「シックス・シューター」でいきなりアカデミー短編映画賞を受賞。

初の長編となる「ヒットマンズ・レクイエム」でも第81回アカデミー賞脚本賞にノミネートされ、続く「セブン・サイコパス」では英国アカデミー賞で英国作品賞。

そして本作では、アカデミー賞で主演女優賞と助演男優賞を受賞と、短編を含めた4本の作品がすべて、某かの映画賞に絡んでいるんですね。

確かに、本作は脚本の素晴らしさが際立っているという印象で、セリフ、キャラクターの行動や表情、ストーリーの語り口すべてに無駄も隙もない感じでしたねー。

ストーリー

そんなマーティン・マクドナー監督が描いた本作のストーリーを超雑に説明すると、南部の田舎町で無残に娘を殺された母親が一向に進まない警察の捜査に業を煮やして、寂れた道沿いにある三枚の看板に抗議文を掲載したことで、小さな町が大騒ぎになっていく。

という物語です。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 戦闘服姿のミルドレッド

その看板の内容っていうのが、「娘はレイプされて焼き殺された」「未だに犯人が捕まらない」「どうして、ウィロビー署長?」と、地元警察の所長を名指しで非難する内容。
「ははーん、このウィロビー署長ってのが酷い男で主人公の敵なんだな」なんて思って観ていると、どっこいウィロビー署長ウディ・ハレルソン)は、公明正大な善人で町の人々からも慕われているんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 顔は怖いけど実は善人なウィロビー署長。

逆に、最初は被害者遺族として悲劇の主人公だと思っていたミルドレッドフランシス・マクドーマンド)は、青のツナギにバンダナの“戦闘服”を着込み、誰彼構わず毒づいて行き過ぎた暴力も振るう超武闘派のオバさんだし、無能なボンクラ警官ディクソンサム・ロックウェル)はすぐキレるし横暴で暴力的っていう典型的なクズ警官で町の嫌われ者だけど、ウィロビー署長を父親…というよりは信仰に近いくらい尊敬して懐いているわけです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ボンクラでクズ警官のディクソン

つまり、タイトルにもなっている「スリー・ビルボード」(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri))は、この3人のことを暗喩しているんですね。

キャラクターの多面性

本作では、上記の三人だけでなく主要キャラクターはみんな多面的に描かれています。
例えば、最初は観ているこっちが引くくらい好戦的なミルドレッドですが、看板の下(犯行現場でもある)にプランターを作って花を植えたり、近くに寄ってきた小鹿に話しかけて涙を流したりと、(娘の事件前は)実はごく普通の「お母さん」であることが想像できるし、粗暴なクズ警官のディクソンは欠点だらけだけど本来は素直な男で、親しい人や尊敬出来る人のことは思いやれる優しさはちゃんと持っているんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com

その他のキャラクターたちも、ただ物語を進めるためのコマとして存在するのではなく、彼らの人生をセリフの端々やちょっとした行動や表情から想像させる作りになっています。

「罪と赦し」の物語

そんな本作のテーマは、一言で言えば「罪と赦し」なのだと思います。

色々なボタンの掛け違いや勘違いが重なり、ミルドレッドとディクソンは暴走し、やがて取り返しのつかない「罪」を犯してしまう様子を、ブラックユーモアたっぷりに描く本作ですが、そんな二人の根底にあるのはやり場のない悲しみです。

ミルドレッドが三枚の看板を立てるのは、ぶっちゃけただの八つ当たりで、その事はおそらく彼女自身も自覚しているんですね。
しかし、事件から7ヶ月経っても犯人は見つからず、娘を失った悲しみのやり場がない彼女は、道路で偶然見つけた看板に警察を非難する広告を載せれば捜査が進展するハズという「思いつき」に縋り付いてしまうのです。

そして、中盤でディクソンが起こすある行動もまた、やり場のない悲しみを「誰か」にぶつけないと耐えられない彼の弱さを表しているんですね。

それは傍から見ると常軌を逸した行動で、巻き込まれた方はたまったものではないですが、「大切な人のために自分は行動している」という大義名分を持ち、心に空いた穴を埋める儀式を行うことでしか二人は自分自身を「赦す」事が出来ないのです。

そしてボタンの掛け違いから事態がエスカレートしていった末に、取り返しのつかない「罪」を犯してしまった二人が「赦される」、ある展開を経てのラスト。

二人の行動の結末は描かれず観客にの想像に委ねられる形になるんですが、多くの人は車中での二人の言葉少ないやり取りの中に小さな希望を見いだせるのではないでしょうか。(ここのセリフも超上手いんだよね)

同時に、小さな田舎町を舞台にしたミニマムな物語の向こうに、今のアメリカが抱える「罪」が見えてくるストーリーの巧みさ、しかもそれを大上段に構えて描くのではなく、物語の中に皮肉の効いたブラックユーモアを交えてそれとなく積み重ねていくことで、説教臭さを消してすんなり飲み込めるようにしている脚本の上手さに、思わず唸ってしまいましたよ。

もちろんセリフだけでなく、映像の色合いや音楽、小物を使った演出も見事だったし、実力派が揃ったキャスト陣による演技アンサンブルも素晴らしい、傑作だと思いますよ!

興味のある方は是非!!

 

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アジアトップスターのジャッキーがインドに進出!?「カンフー・ヨガ」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ジャッキー・チェン主演の中国・インド合作映画『カンフー・ヨガ』ですよー!

今や、アジアだけでなく世界を席巻するインド映画界とハリウッドスターでもあるジャッキーがついにコラボしたアクションコメディー作品です!

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概要

ジャッキー・チェン主演のアクションアドベンチャー。ジャッキーふんする考古学者が、ある財宝をめぐって奇想天外な冒険を繰り広げる。メガホンを取るのは、『ポリス・ストーリー3』『ファイナル・プロジェクト』などでジャッキーと組んできたスタンリー・トン。『李小龍 マイブラザー』などのアーリフ・リー、『ダバング 大胆不敵』などのソーヌー・スード、『インファナル・アフェア』シリーズなどのエリック・ツァンらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

飛ぶ鳥を落とす勢いのインド映画とジャッキーが手を組んだ!

かたや、ジャッキー・チェンは何度もハリウッド進出にチャレンジし、「ラッシュアワー」の大ヒットでついに全米に名を轟かせたアジアのトップスターであり、その後のアジア俳優のハリウッド進出に先鞭をつけた偉人の一人でもあります。

そんなジャッキーが「きっと、うまくいく」や「PK」などの作品がハリウッドでも注目を浴び、「バーフバリ」の大ヒットで世界を席巻したインド映画とまさかのコラボを果たした作品が本作『カンフー・ヨガ』です。

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中国(カンフー)+インド(ヨガ)で『カンフー・ヨガ』って安易すぎるやろー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ というツッコミもなんのその。

60歳を超えて大御所になっても尚、先に進もうとするジャッキーの姿勢にはホント、頭が下がるばかりですよ。

インド風味の中国映画

とはいえ、ストーリーはといえば、考古学者のジャッキーとインドの王族が古代のお宝を奪い奪われっていう、いわゆる「アジアの鷹」系譜のいつものジャッキー映画で、そこにインド、中国、韓国の若手俳優を起用して若干のインド感を出している、中国産インド映画という感じ。

まぁ、ストーリーがゆるゆるでしっちゃかめっちゃかなのは今に始まった事ではないけど、それでも今まではジャッキーが激闘の末に悪者を倒すというカタルシスがあったんですよ。

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ところが本作は、さすがにジャッキーに全盛期の面影はなく、動きは重いし色々ごまかしてる部分もあり、しかもラストはジャッキー説教の末に取って付けたようなダンスでうやむやに終わるっていう。さすがに擁護しきれない出来栄えでしてね。

いや、それでも60を超えて、あれだけのアクションをこなすジャッキーはもちろん凄いし、アクションシーンも観客に飽きさせないよう色々工夫されてはいるんですけど、全盛期を知るファンとしては若干の寂しさもあったり。

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その分、 アーリフ・リーや レイ(EXO)など若手が体を張って頑張っているし、アイスランドやドバイ、インド、中国でのロケや、巨大なセットを作っての撮影などもあって、画面のルックはリッチ。

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ドバイでのカーアクションは道路やトンネルを封鎖して行われていて、「ワイルドスピード」感満載だし、アイスランドや中国、インドの実景は広大で美しいですしね。

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ただ、随所に入れ込まれているCGが、雑すぎて(´ε`;)ウーン…とはなりますがw

アジア映画を世界に?

ただ、この映画で大事なのは多分、ジャッキーがインド映画と手を組んだってところなんですよね。

前述したように、何度もチャレンジを繰り返し後輩たちにハリウッドへ続く道を作ったジャッキーが、その知名度を活かしてインド映画と手を組み世界にアジア映画を世界に売り込む。そのための第一歩として作られたのが本作だったんじゃないかと。

映画に膨大な予算を掛ける中国・インド映画ですが、世界に目を向けた作品はまだまだごく一部で、その多くは国内向けに作られているのが現状ですからね。
世界を知り、世界中に多くのファンを持つジャッキーは、今後、アジア映画が世界に進出するための布石として、まずは本作でインド映画界とのパイプを作ろうとしたのかも。

……なんて妄想はさておき個人的に、映画としてはアレだけど、ジャッキーが楽しそうだったので「まぁ、いいかー」って思った次第です。

興味のある方は是非!

 

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普通に面白かった!「ハン・ソロ /スター・ウォーズ・ストーリー」(2018)

ぷらすです。

観てきましたよー!
「ローグ・ワン」に続くスター・ウォーズ外伝シリーズ第2弾『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を!!

フィル・ロード&クリス・ミラー監督が降板してロン・ハワードに交代とか、米国では大コケとか、嫌なニュースが聞こえてきたのでハードルを上げすぎないよう覚悟を決めて観たわけですが……、いやいや、ちゃんと面白いじゃない!

というわけで、まだ公開されたばかりだし、出来るだけネタバレしないように書きますけど、これから観に行く予定の人は先に映画を観てから、この感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

スター・ウォーズ』シリーズの人気キャラクター、ハン・ソロを主人公に据えたスピンオフ。宇宙を駆ける密輸業者からヒーローになった彼の若き日の戦いと冒険を描く。監督は『ビューティフル・マインド』『フロスト×ニクソン』などのロン・ハワード。『ヘイル、シーザー!』などのオールデン・エアエンライクがソロにふんし、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソン、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのエミリア・クラーク、ドラマシリーズ「アトランタ」などのドナルド・グローヴァーらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

スター・ウォーズらしさ」とかもういい。

以前も書いたと思うんですが、僕は「スター・ウォーズ」ドンピシャ世代の割には、そこまで熱狂的なファンというわけではないし、過去作の細かい部分もほぼ忘れちゃってるんですよね。

で、やっぱ「スター・ウォーズ」の続編が公開されるたび語られるのって映画の出来や内容より「『スター・ウォーズ』としてどうなのか」って部分じゃないですか。

もちろん、そう言いたいファンの気持ちは分かります。

うん、分かるんだけどさ……、その辺は「エピソード7」で旧3部作のファンに対してある程度のケジメはつけたわけだし、スター・ウォーズらしさ」とか、もういいんじゃね? って思うんですよね。

なんかこう、作り手も観客も「スター・ウォーズらしさ」にこだわるあまり、映画が窮屈になってる感じがするんですよ。
旧3部作公開から何十年も経ってるんだし、もっと自由に作ればいいじゃないかと。

ヤングハン・ソロ

本作は、スター・ウォーズの大人気キャラ、ハン・ソロの過去を描いた外伝です。

主演は28歳のオールデン・エアエンライク
すごく二枚目というわけでもなく、どちらかといえば悪役っぽい顔立ちで、正直「コイツが主役で大丈夫かな」と思ってたんですが、まだアウトローとして未熟でヤンチャなヤングハン・ソロを熱演してました。

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そして本作のヒロイン?、キーラを演じるエミリア・クラークは、綺麗さと可愛らしさの両方を持ち合わせたちょとクラシカルな美人で、何となくオードリー・ヘプバーンを思い出しました。
劇中で、ハンとはぐれた後の壮絶な人生を、手首の印とたった一言のセリフで観客に想像させるシーンが印象に残りましたねー。

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あと、チューイことチューバッカね!
「エピソード7」以降、俄然存在感の増してきた感のあるチューイですが、本作ではハンとの出会いから相棒になっていく様子が描かれていて、見た目は変わらない(でも190歳だけどw)けど、エピソード7に比べるとまだ若くてヤンチャな感じで、若きハンとのやりとりもよかったし、いちいちイケメンでしたねー。

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ハンの師匠的存在となるベケットウディ・ハレルソン)や他のキャラも総じて魅力的で良かったですねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 本作の重要キャラ、ドロイドのL3-37

ストーリー

ストーリー自体は西部劇のフォーマットをベースに、エピソード4に繋がるエピソードが穴埋め的に繋がっている感じ。
僕はあまり気付かなかったけど、多分旧3部作に繋がる人気キャラやエピソードも結構盛り込まれているんだと思います。

でも、それらを知らなくても、若きハン・ソロとチューイが暴れまわる展開はワクワクするし、ケイパー的展開や悪党同士の騙し合いも単純に楽しい。

宇宙を舞台にした西部劇として、「スターウォーズ」やハン・ソロを知らない人でも十分に楽しめる映画になってるんじゃないかと思いますねー。

一方でエピソード4の10年前が舞台の本作では、ハン・ソロの故郷や他の星も帝国軍の支配し、悪党が幅を利かせる弱肉強食の世界。
そんな中でハン・キーラ・チューイの三人は生き残るためにそれぞれの選択をし、帝国軍の支配に抗おうとする人々も登場して、後にエピソード4へ繋がっていくと予感させるエピソードもしっかり盛り込まれているし、それが本作のストーリーにも反映されてるんですね。

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不満

本作はまだ何者でもなかった若きハンが、宇宙をまたにかけるアウトローハン・ソロになるまでのストーリーの序章? という位置づけで、続編を視野に入れた作りになっています。

それ自体は別に文句はないし、ヤングハン・ソロのこれからの活躍も楽しみではあるんですが、あえて不満を言えば、続編ありきの中途半端な終わり方はせずに、一本の映画としてスカッと完結させて欲しかったです。

スター・ウォーズハン・ソロ知らない人にとっては、本作はまだ紹介編ですからね。

 ハン・ソロとチューイが大活躍してスカっと終わったほうが、次への期待感も高まったんじゃないかと思うんですよね。

まぁ、「スター・ウォーズ」という老舗の大看板を掲げてる以上、仕方ないのかもですけど。

ともあれ、個人的には普通に面白い映画だったし、「スター・ウォーズ」を観ていない人やハン・ソロに思い入れのない人にこそ観て欲しい映画でしたよー!

興味のある方は是非!!

 

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