今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

【オススメ】今年公開された映画ベスト11【2016】

ぷらすです。

12月9日に、2015年版のオススメ映画をご紹介しましたが、今回は、2016年に公開された作品から、個人的にオススメしたい11本をランキング形式でご紹介しようと思いますよー!(どうしても10本に絞れませんでした)

100%僕の好みなので、人によって好き嫌いはあるかと思いますが、レンタルするDVDに迷った時の参考になれば嬉しいです(*´∀`*)ノ
ちなみに今回は、下にスクロールするほど、順位が上がっていくスタイルですよー!

 

11位

ブリッジ・オブ・スパイ

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巨匠スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演のサスペンス映画。
米ソ冷戦が最も緊張状態にあった1950年代の実話をもとにしたサスペンス映画です。
ソ連のスパイ ルドルフ・アベル役を演じたマーク・ライアンスが、何とも素晴らしい。
重くて難しい映画なんじゃないかと、正直観る前は身構えてたんですが、実際観てみると映画としてとても面白い作品でした。さすがスピルバーグですねー。

 

10位

スタートレック BEYOND」

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大人気SFドラマ『スタートレック』シリーズのリブート版第3弾。
J・J・エイブラムスに変わり『ワイルドスピード』シリーズのジャスティン・リンがメガホンを取りました。
監督交代ということで観る前は少し心配してたんですが、映像の迫力もアクションの流れも素晴らしかったです!
できれば、3作まとめ観がオススメ!

 

9位

「COP CAR / コップ・カー」

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みんな大好きケヴィン・ベーコンが主演、製作総指揮を務めたクライムサスペンス。
いたずら小僧に翻弄されるベーコン、車を上手く盗めなくてイライラするベーコン、牧場を全力疾走するベーコンなどなど、色んなベーコンが堪能できるベーコン好きにはたまらないベーコン映画です!

 

8位

ゴーストバスターズ

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オリジナルの人気故に、公開後出演女優のツイッターが一部の熱狂的オリジナル信者に荒らされるなど、イヤンなニュースも飛び込んできたりしましたが、オリジナルを観たことがない人も楽しめる面白い作品だと思いますよ。
ホルツマン大スキー(*´∀`*)ノ

 

7位

ズートピア

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ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作。
今年公開のアニメ映画で1本選べと言われたら、この作品をオススメします。
大人から子供まで、誰でも楽しめる作品なんじゃないでしょうか。
ドキドキワクワクハラハラ、そしてラストはスカっとするエンターテイメント作品です。

 

6位

ヘイトフル・エイト

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クエンティン・タランティーノ監督最新作です。
上映時間なんと168分と長尺な作品ですが、全然退屈しなかったのは僕がタランティーノ信者だからですかねー?w
無駄話にも思えるセリフの応酬からやがて真相とテーマが見えてくるという、シナリオ出身のタランティーノらしい作品にして、集大成的作品だと思いますよー!
主演は、みんな大好きサミュエル・L・ジャクソンですよー!

 

5位

ちはやふる 上の句」

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競技かるたに青春を懸ける若者たちを描いた同名少女漫画の実写化作品前編。
主演の広瀬すずがとにかく素晴らしいです。
30巻以上続いている原作の映画化なので内容的には駆け足な部分もありますが、青春映画として良く出来てるし、クライマックスのかるたシーンも素晴らしいです。
できれば、後編「~下の句」と続けて観ることをオススメしますよー!

4位

デッドプール

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個人的な好みで言えば今年のナンバー1作品なんですが、観る前に多少アメコミの予備知識がないと混乱しちゃうかもなので、今回は4位で。
最初から最後の最後までサービス満点。ファンは全員「これが見たかった!」と拍手喝采のはず。
ネガソニックたん最高!(;゚∀゚)=3ハァハァ

3位

アイアムアヒーロー

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花澤健吾の人気同名コミックの実写映画化作品。
世界に胸を張れる国産ゾンビ映画です!
とにかくゾンビが怖い! そして切ない!
あと、有村架純が可愛い! 長澤まさみ大泉洋もイイ!
なにより志が高い!
世界よこれが日本だ!」と胸を張れる数少ないエンタメ映画です。

ゾンビ映画が苦手な人には合わないと思いますが、ゾンビとグロ描写が大丈夫なら観て損はしない映画だと思います!

 

2位

「オデッセイ」

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巨匠リドリー・スコット監督がメガホンを取り、マッド・デイモン主演のSF映画。
一人ぼっちで火星に取り残されたマッド・デイモンが、ジャガイモを栽培する映画です。
2時間21分と、かなり長尺な作品ですが退屈はしません!
次から次へと降りかかる危機を、マッド・デイモンが知恵と勇気とダクトテープで乗り越えていきます。
劇中流れる70年代ディスコソングもサイコー!

 

1位

シン・ゴジラ

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エヴァンエリオン」の庵野秀明監督と盟友 樋口真嗣監督がタッグを組んだ、12年ぶりのゴジラシリーズ最新作(日本)にして、初代ゴジラのリブート作品。
個人的に日本とアメリカで公開された全てのゴジラ作品の中でも最高傑作だと思います!
正直、庵野秀明樋口真嗣という名前を見たときは、期待より不安の方が大きかった本作ですが、いざ蓋を開けてみれば初代ゴジラをも超えるとんでもない作品になってました。庵野さん、あんたスゲエよ!

ただ、本作はまだDVDレンタルが始まってないんですけどね。残念!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

というわけで、僕の2016年公開映画ベスト11でした!

ちなみに「この世界の片隅で」ですが、僕の地元では来年1月公開なので、まだ観ていないんですよー!・゜・(ノД`)・゜・

さておき、このランキングには大した意味はなくて、ここに載せた作品はどれも個人的に大好きな映画です。
もちろん、ここには載ってませんが面白かった映画もたくさんありましたよ。
ともあれ、今回のブログが読者の方の参考になれば嬉しい限りです。
もし、気になる映画があればリンクから各映画の感想に飛んで下さいませー。

それでは、良いお年をー(*´∀`*)ノシ

 

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とにかく柳楽優弥がスゴイの一言!「ディストラクション・ベイビーズ」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、今年公開された日本映画『ディストラクション・ベイビーズ』ですよー!
正直、観終わったあとも上手く頭の整理がつかなくて、ラッパーの宇多丸師匠の論評を聴いたりネット評を何本か読んで、やっと飲み込む事が出来たので、何とかこの感想を書きました。
いや、難しい映画ではないんですけどね。

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

イエローキッド』『NINIFUNI』などの真利子哲也監督が手掛けた若者による群像劇。『桐島、部活やめるってよ』などの喜安浩平が共同で脚本を手掛け、愛媛県松山を舞台に、若者たちの欲望と狂気を描く。暴力にとりつかれた主人公には『ゆるせない、逢いたい』などの柳楽優弥がふんし、ほとんどセリフのない難役を演じ切る。さらに『共喰い』などの菅田将暉、『渇き。』などの小松菜奈、『2つ目の窓』などの村上虹郎らが出演。

ストーリー愛媛県のこぢんまりとした港町・三津浜の造船所に2人で生活している芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。けんかばかりしている泰良はある日突然三津浜を後にし、松山の中心街で相手を見つけてはけんかを吹っ掛けていく。そんな彼に興味を抱いた北原裕也(菅田将暉)が近づき、通行人に無差別に暴行を働いた彼らは、奪った車に乗り合わせていた少女・那奈小松菜奈)と一緒に松山市外へ向かい……。(シネマトゥデイより引用)

 

 

感想

まず最初に言っておかなくてはいけないのが、本作は決して万人向けのエンターテイメント作品ではないということです。

とにかく、暴力・暴力・暴力。108分間ひたすら暴力が描かれます。
柳楽優弥演じる主人公は訳わからないし、菅田将暉はゲスいし、小松菜奈はムカつくしで、ストーリーを追って観ようとすると、「え、どうゆうこと?」って思う人も多々いるんじゃないかなーって思いました。
逆に、あまりに規格外すぎて、展開の先読みが出来ない面白さはあるんですけどねー。

柳楽優弥がスゴい

柳楽優弥演じる主人公 泰良(たいら)は、殆どセリフがなく、生い立ちも殆ど語られず、彼が固執する暴力には一切何の理由も目的もないという、本作の中で一番謎のキャラクターです。

なのに、観客が泰良に惹かれてしまう一番の理由は、やはり主演の柳楽優弥が醸し出す説得力だと思うんですね。

序盤、“獲物“を求めて松山市をうろつく彼の後ろ姿を、カメラが追っていくシーンがあるんですが、もう、その段階で「あ、こいつヤバイやつだ」感が観客に伝わってくるんですよね。

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そして、最初の獲物であるバンドのあんちゃんを筆頭に、バカ学生、ヤクザと次々にケンカを吹っかけては勝ったり負けたりリベンジしたりを繰り返します。

そのケンカのシーンは、ちょい引き気味のワンカットという、ドキュメントタッチで撮影されるんですが、これが実に生々しいんですねー。
こう、アクション映画だと殴ったり蹴ったりする音ってちょっと重くて派手じゃないですか。
ところが本作では、「ボカッ!」じゃなくて「ペチ」「ポコ」っていうちょっと軽めで間の抜けた音なんですね。でも、それが逆にリアリティーがあって実に生々しいし、観ていて「イタタタ!」ってなっちゃうんですよね。

で、前半はずっと、泰良のケンカシーンが続きます。
多勢に無勢とかまったく考えずに、何人いようが目的の“獲物“めがけて殴りかかっていく彼に最初は引いちゃうんですが、負けてもすぐにリベンジマッチを仕掛けるそのしつこさとか、もう相手の身になると悪夢でしかないなと思っちゃいます。

さらに、泰良は喧嘩するたび、負けるたびに学習して、強くなるんですよ。
なので、映画前半はある種のスポ根もののような爽快感さえあるんですよね。

ただ、前述したように彼のケンカには、理由も目的もなくて、ひたすら目をつけた“獲物“に勝つためだけの暴力だし、もっと言えば泰良自身が純粋な暴力そのものなんですよね。

そんな難しい泰良というキャラクターを、柳楽優弥は見事に演じ、ともすれば滑稽でマンガっぽいキャラクターに独特の色気と実在感を出していましたねー。

菅田将暉がゲスい

そんな泰良に惹かれて寄っていくのが、菅田将暉演じる北原裕也です。
最初は、泰良にボコられる学生の仲間の一人として登場した彼は、チャラくて、ヘタレで、イキってて、強いものには弱く、弱いものには強いという、まさに
ゲスの極み( ゚д゚ )を体現したキャラクターです。

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そんな彼は、映画中盤で泰良に擦り寄り、彼を利用しようとします。
ところがそれは逆で、実は、裕也が泰良の暴力に飲み込まれている事に彼は気づいていないんですね。

それが証拠に、泰良と組んだ祐也がやらかす、あるドン引きの行動があるんですが、そのシーンだけでも「あ、コイツ何も分かってない」っていう事が分かるんですねー。

とはいえ、この二人が出会うことで、それまでスポ根的清々しささえあった本作のカラーが一気に変わっていきます。

小松奈々もヒドい

そんな二人が四国遠征ケンカ旅のために、運転手をボコって手に入れた車に乗っていたのが、小松奈々演じるキャバ嬢の那奈
彼女はそのまま拉致られて、菅田将暉に酷い目に合わされる、いわば被害者のはずなんですが、真利子哲也監督は、彼女をただの被害者にはしませんでした。

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映画終盤に彼女が起こす、取り返しのつかないある行動が、三人の均衡を崩し、ラスト間近の逆襲が、泰良の暴力に辛うじて残っていたリミッターを解除する引き金になってしまうんですねー。

「暴力」とはを突きつける映画

映画冒頭からしばらくは、「なんだこれは?」と訳も分からずに泰良のケンカを延々観せられ、前半、次第に泰良のケンカをエンタメ的に楽しんでいた観客は、泰良と裕也が組んだ中盤、裕也の行動に冷水をぶっかけられます。

それは、真利子哲也監督が観客に向かって突きつけた「暴力とは」という問いかけでもあるし「お前ら、関係ないと思ったら大間違いだよ」という警告でもあるように感じましたねー。
まぁ、それにしたってこのハシゴの外し方はエグいとは思いましたがw

 

もちろん、まったく不満点がない傑作ということはなく、ところどころ、「あれ?」と思うシーンがあったりはしますし、前述したように好き嫌いがキッパリ分かれる映画だと思います。

それでも、ここまで真正面から「暴力」を描いた作品は邦画では珍しいと思うし、観終わったあとのショックやモヤモヤも込みで、一見の価値アリな作品だと思いましたよ!

興味のある方は是非!!!

 

呪われた人形をめぐる死霊館の前日譚! 「アナベル 死霊館の人形」(2015) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、本ブログでも紹介した『死霊館』のスピンオフ作品、
アナベル死霊館の人形』ですよー!

シリーズ第一作『死霊館』に登場した人形、「アナベル」の呪いを描いた物語です!

 

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あらすじと概要

実在の心霊研究家夫妻が体験した不吉な出来事を描いた大ヒットホラー『死霊館』のスピンオフ。同作に登場した人形アナベルを手に入れた夫婦が遭遇する壮絶な恐怖と、呪いのアナベル人形誕生の秘密を描く。『死霊館』で監督を務めたジェームズ・ワンが製作に回り、同作で撮影を担当したジョン・R・レオネッティがメガホンを取る。テレビドラマ「THE TUDORS ~背徳の王冠~」シリーズなどのアナベル・ウォーリス、『パッション・フィッシュ』などのアルフレ・ウッダードらが出演。

ストーリー:出産が近いミア(アナベル・ウォーリス)は、真っ白なウエディングドレスを着た美しいビンテージ人形を夫ジョン(ウォード・ホートン)からプレゼントされる。ある夜、二人はカルト集団の男女の襲撃を受け辛くも命は取り留めるが、人形に恐ろしい呪いがかけられてしまう。 やがて、待望の子供が生まれ二人は新生活をスタートさせるが、人形をめぐり次々と不可解な現象が起こり……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

本シリーズは、実在する米国の心霊研究家 エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が主人公。
彼らが実際に経験した実体験を元に、フィクションとして作り上げていて、本作も入れると計3本制作されています。

本作は、本編でウォーレン夫妻によって封印されている呪いの人形「アナベル」にスポットを当てた、スピンオフ作品。

本編に比べると、評価は低いらしいんですが、個人的には十分怖い作品でしたよー。

 

アナベル」とは

ウォーレン夫妻が調査に関わった事件の人形で、劇中ではいかにも曰く有りげな怖い風貌の人形なんですが、実物はアメリカの国民的キャラクター「ラガディ・アン」の何の変哲もない布製の抱き人形なんですね。

そりゃそうですよね。
あんな人形を買うとか、君たちの美意識はどうなってるのかと、小一時間問い詰めたくなるような人形ですもんねw

ウォーレン夫妻不在の物語

死霊館』シリーズの特徴は、『エクソシスト』から続く「お祓い映画」の系譜にある作品だということ。
エド・ウォーレンはバチカン公認の悪魔研究科で、奥さんのロレインは霊能力者です。
このシリーズでの二人は主に、依頼者から連絡を受け、依頼者の周りで起こる怪異現象が本物か偽物かを見極めて、それが本当に悪魔の仕業出会った場合、バチカンに報告→エクソシストが悪魔祓いをするという役割なんですね。

まぁ、結局いつも二人で解決しちゃうんですが。

で、本作はというとウォーレン夫妻は登場しません。
いや、後半の神父のセリフで二人の存在は仄めかされるんですが、結局二人は最後まで登場しないんですね。

なので、ウォーレン夫妻の活躍を期待して観ると、ガッカリしてしまうかもです。

ザックリ物語の説明

経験なクリスチャンの夫婦、ジョンと妊娠中の妻ミアが物語の主人公。
ある夜、失踪して悪魔信仰のカルト教団に入信した、隣人の娘アナベルと恋人は彼女の両親を殺害、あわやジョンとミアをも殺害しようとしますが、到着した警察によって射殺されてしまいます。

そんなアナベルが死の間際に持っていたのは、アンティーク人形コレクターのミアがジョンに買ってもらった人形。
そして、その後二人の身に、不気味な怪現象が起こるという物語です。

とにかく人形が怖すぎる

↑の画像を見てもらえば分かるかと思いますが、とにかく「アナベル」人形が怖すぎるんですよねーw
この人形をジョンはミアにプレゼントするわけですが、僕がミアだったら、

「嫌がらせか!」(つ・ω・)≡つ)`д゚)∴ 

とブチギレて離婚すること確実です。
アメリカ人と日本人の感覚の違いなのかなー?

っていうか、僕はそもそも古い人形が苦手で、未だに「チャイルドプレイ」が観られませんからね。今回もかなり覚悟を決めて本作を観ましたよw

怖さの演出は結構良かった

他2作に比べると、本作は若干地味な印象を受けるんじゃないかと思います。
ただ、監督は違えど本作もプロデューサーとしてジェームズ・ワンが関わっていることもあり、一つ一つの恐怖演出はそれなりに嫌な感じだったり怖かったりするんですよね。

特に僕が、ハラハラしっぱなしだったのが、ミアがミシンを使うシーン。
日常的なシーンですが、先の展開を想像してしまって、ずっとドキドキハラハラしてしまいました。

人形が勝手に動くとか、呪いの媒介になってる的な設定は、日本人にとっても馴染みのある設定ですしね。
劇中にはジャパニーズホラー的な演出も多々あり、中々見応えがあったと思いました。

良くなかったところ

逆にイマイチだったポイントは、安易に悪魔が万能すぎなところですかねー。
例えば、登場人物が悪魔パワーで吹っ飛ばされるとか、何でもありすぎて、個人的にはちょっと冷めちゃうんですよね。
周囲から見るとただの事故だけど、実は悪魔の仕業くらいに留めて置いてほしかったかなと。

あと、ラストのある展開はちょっと飲み込みづらいし、夫婦に対して「それちょっと非道くね?」って思っちゃう部分もあったりもしましたねー。
まぁ、状況を考えれば致し方ない部分もありますけども。

本作は時系列を入れ替えていて、本編の終わりからアバンに続いていく作り。
で、そのアバンのシーンは、『死霊館』のオープニングと同じらしいので、最初の『死霊館』の前編みたいな感じで考えれば、そんなに悪くないと思いました。

っていうか、ホラーとしてはちゃんと怖かったですよー。

興味のある方は是非!

 

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“二人“のおっさんに翻弄され続ける1時間44分! 「10 クローバーフィールド・レーン」 (2016) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編?
『10クローバーフィールド・レーン』ですよー!

うーん、まだDVDレンタル開始から間がないし、ウッカリ感想を書くとネタバレしちゃいそうな内容でもあるので、(もちろん気をつけて書きますが)これから本作を観る予定の方は、先に映画を観てから、この感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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あらすじと概要

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などのヒットメーカー、J・J・エイブラムスが製作を担当した異色スリラー。思いがけずシェルターの中で過ごすことになった男女を待ち受ける、想像を絶する出来事が展開していく。
リンカーン/秘密の書』などのメアリー・エリザベス・ウィンステッド、『バートン・フィンク』などのジョン・グッドマン、テレビドラマ「ニュースルーム」シリーズなどのジョン・ギャラガー・Jrらが出演。
手に汗握る心理劇と、一気になだれ込む衝撃の展開に息をのむ。

ストーリー:ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目覚めると、自分が見ず知らずの2人の男性とシェルター内にいることに気付く。
その日を境に、彼女を助けたと主張するハワード(ジョン・グッドマン)とエメット(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活がスタートする。
ミシェルは、外は危険だという彼らの言葉を信じるべきかどうか悩んでいた。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

前作『クローバーフィールド/HAKAISHA』は、突如、怪獣がニューヨークを襲う様子をモキュメント(ドキュメントの体で描くフィクション)形式で描いた作品でした。
そして前作と同じくJ・J・エイブラムスが制作を担当、タイトルにも「クローバーフィールド」が入ってるので、続編かと思うかもですが、両作にストーリー上の繋がりはありませんでしたねー。

え? 密室サスペンススリラー!?

なんと本作の登場人物は、たった4人。

その内の殆どは

メアリー・エリザベス・ウィンステッド演じる主人公のミッシェル。
ジョン・グッドマン演じるハワード。
ジョン・ギャラガー・Jr演じるエメット
の3人だけ。

しかも1時間44分の本編の殆どは、ハワード所有の地下シェルターの中だけで物語が進むんですね。

彼氏とケンカしてアパートを飛び出したミッシェルは、車で走行中事故に遭って意識を失います。
そして、次に目覚めたのはどこだか分からない一室。
そこは、個人の地下シェルターなんですね。

そこには、ミッシェルの他にシェルターオーナーのハワードと、エメットという二人の男がいて、何者かの攻撃を受け、外の世界は汚染されていて出ることは出来ないとミッシェルに告げます。
そこから、三人の奇妙な共同生活が始まり……。
という物語。

ハワードという男は善人なのか悪人なのか分からないし、「攻撃」も「汚染」も二人の証言だけで、しかし、確かめようにも地下シェルターには窓がなく、外の様子は分からない。っていう極限状態を描いた、密室サスペンススリラーなんですねー。

“二人“おっさんに翻弄され続ける1時間44分

本作のキーマンといえるのが、ジョン・グッドマン演じるハワード。
クマっぽい外見は、一見、気のいい田舎のおっさんにも殺人鬼にも見えるし、その言動もアンバランス。なにより体がデカイので単純に勝てる気がしません。

本人は交通事故で意識を失ったミッシェルを「助けた」と言うし、確かに彼女が目覚めた時、負傷した足にはギブスがあてがわれ、腕には点滴と、的確な治療が行われているんですが、一方で彼女は、鍵付きの部屋に手錠で繋がれてるんですね。

その後、色々あって、ハワードを信じたミッシェルは、エメットと3人で束の間の平和な共同生活を送っていくんですが、その最中もハワードの言動はどこか怪しいさを含み、どうにも信じきれない感じです。
しかも、地下シェルターの中では、ハワードが異常犯罪者なのではと疑わせる品物もあり。でも確たる証拠はなく。

ミッシェルと観客は、ハワードを信じたり疑ったり、このおっさんに翻弄され続けます

しかも、観客は1つミッシェルの知らない事実を知ってるんですね。

それは本作が前作と世界を共有している(だろう)ということ。
ミッシェルにはとても信じがたい「何者かの攻撃」や「大気汚染」の話も、世界がニューヨークが怪獣に襲われた前作を観ている観客は、ハワードの言葉は本当だと思う。でも、それは先入観を利用したJ・J・エイブラムスの仕掛けたミスリードで、ハワードが嘘八百を並べているただの変態の可能性も……と、物語を知ってるがゆえにミッシェル以上に翻弄されちゃうメタ的な仕掛けがされてるんですよね。

つまり、本作はミッシェルと観客が、ハワードとJ・J・エイブラムスという二人のおっさんに、翻弄され続ける映画なのです。

そんな仕掛けも含めて、全体的に非常によく考えられた面白い作品だったし、前作を知らなくても楽しめる作品ですが、出来れば前作「~HAKAISHA」を先に見ていると、より楽しめる作品なんじゃないかなって思いました。

興味のある方は是非!!!

 

持たざる者たちが繋ぐ希望の物語「ローグ・ワン/スターウォーズストーリー」(2016) 感想

ぷらすです。

今日、朝一の回で『ローグ・ワン/スターウォーズストーリー』を観てきましたー!
字幕と吹き替えどっちにしようか迷ったんですが、せっかく初見なので字幕版で観てきましたよ。

というわけで、まだ公開されたばかりの映画だし、なんたって「スターウォーズ」なので、出来る限りネタバレしないように気をつけて書きますが、いつもの通り、これから観に行く予定の方は先に映画を観てから、この感想を読んで下さいねー!

いいですね? 注意はしましたよ?

 

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あらすじと概要

世界的に人気のSFシリーズ『スター・ウォーズ』のサイドストーリー。圧倒的な破壊力を誇る帝国軍の宇宙要塞デス・スターの設計図を奪うという任務を遂行した反乱軍兵士たちの戦いを追う。
監督は『GODZILLA ゴジラ』などのギャレス・エドワーズ。『博士と彼女のセオリー』などのフェリシティ・ジョーンズ、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカー、『偽りなき者』などのマッツ・ミケルセン、『イップ・マン』シリーズなどのドニー・イェンらが出演。帝国軍と反乱軍の戦争秘話が見どころ。

ストーリー:帝国軍の誇る究極兵器デス・スターによって、銀河は混乱と恐怖にさらされていた。窃盗、暴行、書類偽造などの悪事を重ねてきたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は反乱軍に加わり、あるミッションを下される。それはデス・スターの設計図を奪うという、困難かつ無謀なものであった。彼女を筆頭に、キャシアン(ディエゴ・ルナ)、チアルート(ドニー・イェン)、ベイズチアン・ウェン)、ボーティー(リズ・アーメッド)といったメンバーで極秘部隊ローグ・ワンが結成され、ミッションが始動するが……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

というわけで、今日、朝一の回で観に行ってきましたよ『ローグ・ワン』
まぁ、解説的なあれこれは、僕なんかよりずっと詳しい方が沢山書いてると思うので、僕はあくまでミーハー映画ファンとして感想を書いていこうと思います。

まず、観た後の率直な感想としては、う、(´ε`;)ウーン… って感じ。
いや、面白いんです!
「面白いんです! けど…でも」 っていう感じなんですよねー。

一応、基本情報から

まず大前提なんですが、本作は現在1~7まで続く「スターウォーズシリーズ」のスピンオフ作品です。
一応今までも、スピンオフ“的“作品はあったし、アニメや小説、コミックではスピンオフ展開はあるそうなんですが、本作はいわゆる公式スピンオフ映画第1弾って事になるのかな?

物語的には、1977年公開の『スターウォーズ4/新たなる希望』の前日譚ですね。

他にも、本作を観る上で一応、知っておいた方がいい事を書きますと、

1・はるか彼方の銀河系では、帝国軍と反乱軍が戦争している。
2・帝国軍は銀河系を支配しようとしている。
3・銀河系を守ってきたのはフォースという能力を操るジェダイの騎士だったが、帝国
  軍によって滅亡させられた。(と、帝国軍は思っている)
4・帝国軍は、デス・スターという惑星を吹っ飛ばす威力を持つ超兵器を開発。
5・エピソード4では、反乱軍がこのデス・スターの設計図を手に入れ、激戦の末に
  デス・スターを破壊した。
 ですかねー。

で、本作は反乱軍がこのデス・スターの設計図を奪う物語です。

なので、本作には“ジェダイの騎士“は一人も出ません。(ダースベイダーはちょこっと出ます)
つまり本作は、英雄が戦うエピソード1~7の「スターウォーズ」ではなくて、特別な力を持たない名も無き戦士たちが希望のために戦う「スターウォーズ」なんですねー。

という、長い前置きを踏まえての感想です。(ホントに長いw)

面白い……んだけど(´ε`;)ウーン…

本作はディズニー版スターウォーズシリーズ第2弾ということもあり、また前作の大ヒットもあって、映像は大迫力だし、スタートルーパーを始めとしたお馴染みのキャラクターや戦闘機、宇宙船なんかも登場します。

物語も、反乱軍の中のはぐれ者たちがチームになって、大事を成し遂げるという共感を呼ぶストーリーでとても面白かったんです。面白かったんです……けど、何ていうかこう、スッキリ感やワクワクが足りないんですよねー。

何故かというと、結末を知ってるから。

スターウォーズって少し変わった作りのシリーズで、4~6三部作の後に、その前日譚である1~3が公開されたんですね。
で、この1~3が思いのほかファンには不評だったんですが、(他にも細々した理由はあるものの)その一番の理由は、観客が結末を知ってたってのが大きかったんじゃないかと思うんですよね。少なくとも僕はそうでした。

主人公がどんなに頑張っても、活躍しても、アクションや映像が迫力満点でも、それを観てるこっちは「でも結局最後はああなるんでしょ」って気持ちが常に頭の片隅にあるのでワクワク感が削がれちゃうんですね。

それと同じ事が、本作でも起こっていて、ファンは結末を知ってる状態で、穴埋め的に過程を観てるので、常に先読み状態で映画を観ちゃうんですよね。

なので、もしかしたら最初の『スター・ウォーズ』として本作を見た人は、超楽しめるかも?

もう一つの欠点。
それは、「メインキャラクターのチーム感がない」ところです。
主人公の女の子 ジンを始め、各キャラクター自体はとても魅力的なんですが、彼らの割と大事なエピソードが映像ではなく、セリフでサラっと語られるので、感情移入がしにくいってのもあるし、どんどん物語が進んでいく中で、なし崩し的にチームが出来上がってるみたいな感じで、メンバーが繋がっていく=チームが出来上がっていく様子の描き込みが圧倒的に足りないって思いました。

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画像出典元URL:http://eiga.com/

なので、せっかくの、みんなが力を合わせて戦いを挑むクライマックスでも、イマイチ乗り切れないのです。
まぁ、「スターウォーズ」だからやらなきゃいけない事、やっちゃいけない事が多分たくさんあって、一概に監督や脚本だけの責任とは言えないのかもですが。

良かったところ

文句ばかり書くのもアレなんで、最後に良かった所を書きます。

しつこい様ですが本作は、名も無き戦士たち、持たざる者たちの物語です。
このエピソードに登場するメインキャラクターは、本編では『反乱同盟軍のスパイ』と一括りにされる歴史に名の残らない人々なんですね。

でも、エピソード4以降のスカイウォーカー家やジェダイ、ハンソロなど、スターウォーズ劇中の世界で歴史に名を残した偉人たちの功績は、本作の名も無き人々がいなければ始まらなかったんわけです。

歴史(スター)の影には、名も無き英雄の献身的な戦い(ウォーズ)があったっていう物語の発想は、個人的にどストライクでした。

あと、本作ではスター・ウォーズ史上初めてのアジア人キャストとして、アジアが誇るカンフーアクションスターのドニー・イェンが参加しています。
彼が演じるのはフォースの力を信じ、ジェダイに憧れる盲目の寺院守護者 チアルート・イムウェ。

彼は、相棒のベイズ・マルバスと共に、本作の戦いに巻き込まれていくんですが、さすがドニー・イェン。アクションは最高でした。(見せ場は少なかったですが)
っていうか、ぶっちゃけドニーならダースベイダーにも勝てんじゃね? って思っちゃうくらいw

で、本作ではこのチアルート・イムウェは「持たざる者」の代表で、フォースの力に憧れ、ジェダイの真似事をする彼を、相棒のベイズは半ば呆れながら見守ってるんです。

ラッパーの歌丸師匠もラジオで言ってましたが、つまり、この二人はドン・キホーテと家来のサンチョ・パンサ の関係なんですねー。

子供のように純粋にフォースを信じるチアルートと、そんな彼を呆れながらも好ましく思っているベイズだからこそ、僕は彼らに心を動かされるし、クライマックスでの二人に思わず涙が出てしまいました。

あと、本作で、これまで「正義」の側面しか描かれなかった反乱軍も、本作では決して一枚岩ではなく、汚い事だってやってる事を描き、デス・スターに攻撃される惑星を中側から描いたことで、『スター・ウォーズ』に戦争のリアルな厚みが出たんじゃないかなーって思いました。

ネットレビューを読んでみると、評価はハッキリ分かれる作品ではあるし、個人的には食い足りない部分も多い作品でしたが、それでも、こういう映画はテレビやモニターじゃなくて、映画館の大画面で観たほうが面白いと思いますよ!

興味のある方は是非!!!

バンホーベン監督が華麗に描く成長譚! 「ショーガール」(1995) 感想 (ちょいネタバレあり)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、鬼才ポール・バーホーベン監督の『ショーガール』ですよー!

1995年、その年の最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞ラジー賞)で10部門にノミネートされ、6部門を制覇したことで話題になった本作ですが、いやいや、

ちゃんと面白かったんですけどー!

やっぱラジー賞なんか信用出来ないなーって思いましたねーw

 

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概要とあらすじ

ショービジネスの都、ラスベガスを舞台に『スターダンサー』を目指す少女の挫折と成長を描いた作品。
ポール・バーホーベン監督、ジョー・エスターハス脚本という『氷の微笑』コンビが膨大な予算をかけて望んだ作品だったが、ヌードやセックスなどの過激な描写からNC-17指定での公開になった。
また、同年の最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞ラジー賞)で10部門にノミネート、6部門を制覇しバンホーベン本人が会場で受賞スピーチをした事でも有名。

ストーリー:スターダンサー夢見て、ラスベガスにやってきた少女ノエミ(エリザベス・バークレイ)を待っていたのは、虚飾と、どろどろの人間模様。
そんなショービジネスの世界で、敗北を繰り返しながらも、ノエミはトップダンサーを目指す。

 

感想

恥ずかしながら僕は最初、本作の監督がポール・バーホーベンだと知らなかったし、ラジー賞を受賞した事も知らなかったんですが、たまたまネット知って気になったので観てみたんですね。
正直に言えば怖いもの見たさな気持ちもあったんですが、実際に観てみたら……
ちゃんと面白い作品でしたよ?

まぁ、ラジー賞自体がある種のシャレみたいなものだし、作品の出来云々というより、ヌードやセックスの描写、莫大な制作費、「俺たちが望んでいたバンホーベン作品“じゃない“」も込みでの評価なんでしょうね。

( ゚∀゚)o彡オッパイ! ( ゚∀゚)o彡オッパイ! ( ゚∀゚)o彡オッパイ!

本作の主人公ノイミは、ラスベガスでストリッパーをしながらスターダンサーを目指しています。

スターダンサーって言っても、高級ホテル『スターダスト』のトップレスで踊るショーダンスのメインダンサーなんですね。
僕は、ラスベガスのショービジネスが分からないので、このショーやスターダンサーの地位はよく分かりませんけど、そういう内容なので登場する女性は劇中ほぼ裸です。
画面いっぱいに躍動するおっぱい、おっぱい、おっぱい。

主演のエリザベス・バークレイもベガスの女王・クリスタルを演じたジーナ・ガーションもバンバン裸になります。

また、ノエミが最初に踊っていたストリップ・バー「チーター」では、サービス『プライベートダンス』っていうサービスがあるんですけど、そこでノエミは全裸で扇情的に踊ったりするんですねー。

これらの描写から、本作を低俗、下品と批判する人もいるみたいですが(そして概ねその通りですが)、ダンサーの人たちの体は美しいし、(セックスシーンも含めた)ダンスの映像は圧巻の迫力でした。

っていうか、裸はバンバン出てきますけど、本作は全然エロくないですね。
アメリカと日本のエロ感の違いもあるんでしょうが、基本、ダンスにしろセックスにしろ、ノエミやダンサーたちにとっては戦いだし、バンホーベン監督もそのつもりで撮ってると思うんですね。
つまり本作は、何も知らずに戦場に飛び込んだ一兵卒が、戦士として成長していく様子を描いた『スターシップ・トルーパーズ』であり、負け犬が運と努力で栄光を勝ち取る『ロッキー』であり、野望が叶った途端に破滅が始まる『スカーフェイス』であり。
その主人公がもしも女性だったらっていう映画です。
そりゃぁ、いくらおっぱいや裸が出てきてもエロくないですよね。

共感を呼ばない主人公 

本作が酷評される理由の一つに、主人公ノエミのキャラクターがあるんじゃないかと思います。
映画冒頭の彼女は、とても攻撃的で他者を寄せ付けないハリネズミみたいな少女です。
その理由は後半明かされるんですが、基本的に他人は信用しないし、気に入らないことがあるとすぐキレるし、野望のためなら手段を選ばない。その割に、ちょっと優しくされるとすぐに人を信じて、ころっと騙されるバカな部分もあり。

そのアンバランスさも込みで観客は彼女にイライラするだろうし、非常に共感しにくいキャラクターだと思います。

そんな何者でもない彼女が唯一の拠り所にしてるのが、自分はダンサーであるというプライド。
だから序盤でクリスタルに「ストリッパー」と言われ反発するし、後半クリスタルが自虐的に言う「ショーガールは売春婦」という言葉にも激しく反発します。
たとえ場末のストリップバーで裸を見せ、プライベートダンスで扇情的な踊りで男を悦ばせても「自分はダンサーだ」というプライドが彼女を支えているんですね。

ところが、宿敵クリスタルに対し、彼女はある行動に出てしまいます。
それによってノエミは、ついに憧れのスターダンサーの座につきますが、その行動は今まで彼女を支えていたプライドを自ら破壊してしまうわけですね。

そこまでして立ったトップの座から見た景色は、クリスタルの言葉通りで、更にそんな彼女を罰するように、立て続けにある事件が起こります。

これが男性主人公なら、そのまま身を持ち崩してバッドエンドっていう、破滅の美学に流れてしまいそうなものですが、彼女は自分なりのけじめをつけたあと、あっさりと地位も名誉を捨てて新天地に旅立ちます。(ここのラストはちょっと分かりにくいんですが、もしこれから観る人はラストシーンの道路標識に注目してください)

このラストシーンは冒頭のシーンと対の構図になっていて、冒頭でプライドだけを頼りにショービジネスの世界に入ってきた一兵卒の少女は、確かなダンスのテクニックとショービジネスで生き残る術を手に入れた戦士として、ラスベガスを卒業するんです。
その割り切りの早さや、潔さ、しなやかさは、女性主人公ならではなのかなーと。
もっと言えば、このラストに監督の『男性主人公のマッチョな映画』=男性社会への皮肉屋批判が込められているのかなーなんて思ったりしたんですが、違いますかねー?

いや、こんな風に書くと、超名作! みたいに思われるかもですが、そんなことはなくて、良いところもあるし悪いところもある、いつものバンホーベン作品です。
ただ、そこまで酷評されるほど酷い映画ではないと思うし、個人的には十分楽しめた面白い映画でしたよ。

興味のある方は是非!

 

美味しいもの+美味しいもの=超美味しいもの理論で作られたパニックムービー!『スネーク・フライト』(2006) 感想 *閲覧注意

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、航空パニック映画と動物パニック映画を足した映画
スネーク・フライト』ですよー!

タイトルを聞いただけで、大体どんな映画か想像がつくとは思いますが、そんな想像の斜め上を行く怪作でしたー!w

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あらすじと概要

ホノルル発ロサンゼルス行きの飛行機内を舞台に、FBI捜査官をはじめとする乗客たちと犯罪組織が放った無数の毒蛇たちの攻防が繰り広げられるパニック映画。主人公のFBI捜査官をサミュエル・L・ジャクソンが演じる。
彼に協力するキャビンアテンダントには「ER 緊急救命室」のジュリアナ・マーグリーズ。監督は『セルラー』のデイヴィッド・R・エリス。蛇と戦うヒーローを演じたサミュエルの勇姿に注目。

ストーリー:殺人事件を目撃したため、ある組織から命を狙われることになった青年ショーン(ネイサン・フィリップス)。彼を暗殺者の魔の手から救出し、証人として裁判所に送り届けることになったFBI捜査官フリン(サミュエル・L・ジャクソン)は、ショーンを連れてホノルル発ロサンゼルス行きの飛行機に搭乗するが……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

実は恥ずかしながら、僕は本作のことはまったくのノーチェックだったんですが、たまたまネットで聞いたラジオで紹介されていたので、気になってTSUTAYAでレンタルして観たんですね。

飛行中の旅客機に世界中から集められた数千匹の毒蛇が放たれるという、いわゆる『航空パニックもの』と『動物パニックもの』を足して2で割らないという、究極の足し算映画でしたー!

キムよ、お前は一体何を考えているんだ! と小一時間(ry

物語の発端は、ハワイに住む一人のボンクラ青年ショーンがたまたま大物ギャングのボス、エディ・キムの犯行現場を目撃してしまうところからスタートします。
このエディ・キムという男は狡猾で、犯行の証拠を残さないので警察も中々逮捕できないんですね。
何とか家に逃げ帰ったショーンでしたが、あっという間にギャングに家に乗り込まれ、あわや危機一髪の場面で彼を助けるのが、みんな大好きサミュエル・L・ジャクソン演じるフリンFBI捜査官。

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フリンの説得(というかほぼ脅迫)に応じ、裁判の証言台に立つことになったショーンは、深夜の旅客機(なんとファーストクラス貸切!)に乗り込むんですが、それを知ったキムは、飛行機を墜落させるため積荷の中に数千匹の毒蛇が入った箱を仕込ませるのです。そして時限装置で箱の扉が開き、解き放たれた毒蛇たちは次々に乗客とパイロットを襲い、旅客機の中は一気に地獄絵図と化す。というストーリー。

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画像出典元URL:http://movies.yahoo.co.jp/

ここまで読んでくれた方は「なんで毒蛇?」って思うでしょう。僕も思いました。

旅客機を墜落させたいなら、どう考えても爆弾でも仕掛けた方が確実です。
しかし、ここにはキムなりの理屈があって、証言者を乗せた飛行機が爆発して落ちたら、自分が疑われる。だが蛇を仕込むことで、事故に見せかければ自分は疑われないっていう………って、納得できるかーー!!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

しかし、ここで引っかかってしまっては、本作を楽しむことは出来ません。
何故なら、この後にも強引すぎる展開が釣瓶打ちだからです。っていうか、そもそもギャングやFBIがどうやってショーンを探し出したのかにも一切説明がありませんしw
つまり、本作は「そんなアホな」な部分もひっくるめて楽しむ映画なのです。

出だしは航空パニックもの。しかし蛇が解き放たれ……

そんな事とは知らず、ショーンとフリンを始め旅客機には様々な乗客が乗り込んできます。有名ラッパー(?)とボディーガード、愛犬家の女性、初めて二人で飛行機に乗る幼い兄弟、嫌なサラリーマン(偉いさん?)、バカップルなどなど。
そんな彼らのキャラクターが、機内の言動で明かされていく出だしは「エアポートシリーズ」を始めとしたいわゆる“航空パニックもの“のフォーマット通り。

フォーマットでは、この後飛行中の旅客機のエンジンや計器に“何らかのトラブル“が起こったり、パイロットが怪我したり死亡したりしてパニックになるわけですが、本作ではこの『何らか』の部分を担っているのが数千匹の毒蛇なんですね。

更に、航空パニックものだと、地上の管制官や専門家たちが味方として登場しますが、本作では蛇の専門家が登場するという徹底ぶり。

蛇に詳しい人は「いや蛇は臆病で大人しい生き物だから、むやみに人を襲ったりはしない」と思うかもしれません。しかしキムはそんな蛇たちをけしかけるため、蛇が興奮して攻撃的になるフェロモンを、乗客に配られるレイ(ハワイで首にかけられる花輪)にたっぷり染みこませ、それが空調で機内に充満することで蛇を凶暴化させるんですね。

いや、もっと他の楽な方法があったろキムよw

そんな蛇に最初に襲われるのは、トイレにしけこんで大麻を吸いながらエッチしてるバカップル。毒蛇がおっぱいに噛み付くというサービスシーンもバッチリですw

そして、解き放たれた毒蛇たちは、乗客やパイロットを次々に襲い、機内はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図になっていくんですねー。ね、 バカみたいな映画でしょ?

バカだけど、ただのバカじゃない

そんな、スタッフが泥酔状態で夜中の2~3時に思いついたような本作ですが、ただのバカ映画ってわけではありません。
内容自体は荒唐無稽だし、強引すぎる展開や、明らかにやりすぎな展開は多々あるものの、そこに至るまでの前フリはしっかり作りこまれてるし、一本の映画として結構ちゃんと成立させているんですね。
それでもクライマックスでのサミュエル・L・ジャクソンちゃぶ台返しはどうかと思いますがw

航空パニック&動物パニック、二つのフォーマットのバランスを上手く取りながら展開していくドラマは、中々見ごたえがありました。

なにより、いよいよ大ピンチの旅客機を最終的に救うのがサミュエルじゃなく、機内で一番のボンクラと日本製のあるモノっていうところがサイコーなんです!
フォーーー!

もちろん、それなりにグロい? シーンもあるし、何より蛇の苦手な方には決してオススメ出来ない映画ではありますが、決して陰惨になり過ぎず、最後は爽やかに終わるので、個人的には超アガった面白かったですよー!!

興味のある方は是非!